本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.5.18
サイバー空間のカオス
最近、「サイバー空間のカオス(混迷)」という表現が使われ始めたが、この点には、大きな注意が必要だと感じている。つまり、現時点では、「コンピューターウイルスによる混乱」に、この言葉が使われているが、実際には、「マネー経済」で発生している「風船の破裂」のメカニズム、すなわち、「膨らんだ風船の内部と外部で圧力差が生じ、結果として、内部崩壊が発生し、破裂により、一挙に、内外の圧力差が解消される状況」が当てはまるものと思われるのである。
より具体的には、「デリバティブのバブルとデジタル通貨の大量創造」により生み出された「現代のサイバー空間」、あるいは、「金融界のブラックホール」に関して、今まで、「超低金利状態の蓋」により、崩壊を免れることができた状況だったのである。別の言葉では、「膨張を止めた風船の内部で、分裂や崩壊が発生していたような状況」でもあったが、現在では、「ロシアのウクライナ侵攻」などをキッカケとして、一挙に破裂を始めた段階とも考えられるのである。
そのために、今後の展開としては、「数か月という期間で、マネー経済と実体経済の圧力差が解消される状況」、すなわち、「金利やインフレ率の急騰により、マネー経済と実体経済の規模が同じになる状況」が想定されるのである。そして、この点については、「1923年のドイツ」が参考になり、実際のところ、「100年違いで、似たような展開が世界全体で発生している状況」とも思われるのである。
より具体的には、現在の「世界的なインフレ」が、「1922年のドイツ」と同様の状況であり、今後は、「一年以内にハイパーインフレに移行する可能性」も想定されるのである。つまり、「デリバティブのバブル崩壊」により「金融界の白血病」が発生し、結果として、「デジタル通貨が使用不能になる可能性」のことであり、「このような状況下では、未曽有の規模での大混乱が発生する可能性」も考えられるのである。
そのために、この点には、現在、最大限の注意を払っている状況でもあるが、一方では、「複雑性の理論」や「ライプニッツの予定調和説」などが指摘するとおりに、「目に見えない大きな力」が働いている可能性も想定されるのである。つまり、「村上和夫氏」が指摘する「サムシンググレート」などの力が働く可能性のことでもあるが、この点については、将来的に、「世界の絶えざる進化と創造のメカニズム」が解明された時に、はっきり見えてくるものと考えている。