本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.6.28
金融敗戦と日本国民の覚醒
1868年の明治維新から「77年後」の1945年に、「日本の軍事的敗戦」という大事件が発生したが、現在では、「1945年から77年後の2022年」に、「日本を含めた世界各国が、金融敗戦に見舞われる可能性」が高まっているようにも感じている。つまり、「明治維新」のスローガンである「富国強兵」に関して、前半の77年間で、「強兵の問題点」が明らかになり、また、その後の77年間で、「富国の問題点」である「マネーの大膨張」が、資本主義社会を揺るがし始めた状況のことである。
そして、この事実を象徴する出来事は、「日本国民の個人金融資産が移動を始めた可能性」とも思われるが、現在では、「個人の金融資産に関して、投信の残高が増え始めた事実」が指摘されているのである。つまり、「過去30年ほど、ほとんど動かなかった個人の預金」が、いよいよ、「株式などの資産」へ移動を始めた可能性が、現在、注目を集めているが、この時の問題点としては、「中央銀行の資金繰り」が挙げられるものと考えている。
より具体的に申し上げると、今まで、「日銀が保有する国債は、国債の発行残高から除外してもよい」などの「マスコミやエコノミストの誤った報道」により、「日本国民は、自分の預金が間接的に国債に投資されていた事実」を、ほとんど理解していなかったのである。つまり、「自分の預金が民間銀行に預けられている事実」は理解しながらも、その後、「民間金融機関の預金が、日銀に吸い上げられて、国債の買い付けに回っている状況」に関しては、ほとんど理解されていない状況とも言えるのである。
そして、現在は、徐々に、「日本国民の覚醒」が始まった状況とも思われるが、実際のところ、「逆ザヤによる日銀の債務超過の可能性」が指摘されるとともに、「金利の更なる上昇とともに、どのような展開が予想されるのか?」に、日本国民のみならず、世界中の関心が集まってきた状況とも言えるのである。つまり、「お金とは、いったい、どのようなものなのか?」を考える人が増えてきた結果として、「お金の謎」や「金融システムの実情」などが、徐々に、解き明かされ始めたものと思われるが、今後は、「世界中の人々が驚くような大事件の発生により、このスピードが一挙に速まる可能性」も想定されるのである。
具体的には、「デリバティブのバブル崩壊」が引き起こす「民間金融機関の破綻」であり、また、その後に予想される「先進各国の紙幣大増刷」でもあるが、この結果として発生する事態は、以前から申し上げているとおりに、「金融界の白血病」という「デジタル通貨が役に立たなくなる状況」とも言えるようである。