本間宗究(本間裕)のコラム

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2013.10.7

アメリカのデフォルト

「10月1日」から始まった「政府機能の一時停止」に加えて、現在では、「10月17日」に想定されている「アメリカのデフォルト(債務不履行)」が、世界的な大問題になってきた。そして、これからの展開については、「固唾を飲んで見守る」というほどの緊張感が必要とされるようだが、この時に大切なことは、「基本的な事実」を理解することであり、また、「自分の資産に対して、安全性を確保する」ということだと考えている。

具体的には、「債務不履行」が、「実際に、どのようにして起きるのか?」ということであり、また、「その時に、世界の資金は、どのような動きを見せるのか?」ということである。具体的には、「アメリカの債務上限問題」について、「上限額が引き上げられないと、デフォルトが発生する」という点については、世界中の人々が理解したようだが、この時の問題点は、「かりに、上限金額が引き上げられても、このことは、単なる先送りにすぎない」ということであり、同時に、「金利上昇(国債価格の暴落)」が起きると、「国債の買い手がいなくなり、やはり、アメリカの資金繰りは行き詰る」ということである。

つまり、「アメリカのデフォルト」については、「時間の問題で、必ず、発生する大事件である」とも考えているのだが、この時に、最も大きな被害を受けるのが、「GDPの2倍以上もの借金を抱えた日本である」とも言えるのである。別の言葉では、「信用崩壊」という「国家や通貨の信用が無くなる状況」が、「ヨーロッパ」から「アメリカ」へ移行し、間もなく、「日本」を直撃するものと考えているのだが、現在では、「量的緩和」という「世界的な国債の買い支え」により、まだ、ほとんどの人が実感できない状態とも言えるのである。

しかし、間もなく、本当の「金融大混乱」が発生することが予想されるのだが、この時に大切なことは、「預金」や「現金」などは、これから「危険資産」となり、「大幅に価値が減少する」という可能性のことである。つまり、「デフォルト」という「国家の財政破綻」に見舞われた国では、当然のことながら、「預金」や「現金」が価値を失う事が理解できるのだが、現時点では、ほとんど、この点が理解されていないようである。

しかも、「アメリカが危ないから、日本へ資金が移動している」という意見については、「まったく論外の意見」とも言えるようだが、これから起きることは、「世界中の人々が、本当に安全な資産を探し出す」ということであり、この時の重要な点は、「資産の裏側に、借金が存在しない資産」ということである。