本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.1.7
世界的な国債バブル崩壊
現在の世界的な「国債バブル」には驚かざるを得ないが、最近の、日本の10年国債金利が0.25%、そして、ドイツの10年国債金利が0.44%という事態は、どのような理論を持ってしても説明が付かない状況とも言えるようだ。別の言葉では、「バブル崩壊」の直前に起きる「典型的な急騰相場」が発生しているようだが、実際には、「国債を買い続けなければ、暴落の危機に瀕する最終段階」とも思われるのである。しかも、日本国債については、「短期国債」のみならず、「3年国債」までもが「マイナス金利」となっているが、このことは、「国債を満期まで保有すると損失が出る状況」を表している。
つまり、「経済的合理性」は無視され、単に、「力任せの買い支え」が起きているようだが、このような異常事態に際しても、マスコミは、ほとんど、この点を指摘せず、大本営的なコメントに終始しているのである。換言すると、戦時中の「神風特攻隊」を髣髴させるような事態となっているが、これほどまでの異常事態の後に起きることは、何らかの「大事件」であることが、歴史の教えるところでもあるようだ。
つまり、「神風特攻隊」という、日本人の狂気的な行動に驚いた連合軍が、「原爆投下」という、人類史上において、稀に見る暴挙に出たような変化のことだが、今回も、同様の展開が予想されるようである。具体的には、「国債価格の暴落」、あるいは、「第二のリーマン事件」の発生とともに、先進国の全てで、「紙幣の大増刷」が始まる可能性のことだが、12月末時点においては、日銀券の発行残高が「93兆円」にまで膨らんでいるのである。
つまり、黒田日銀総裁の「バズーカ砲」については、すでに「弾切れの状態」になっている可能性があるようだが、これからの展開を考えると、実に、空恐ろしい状況が予想されるのである。 しかし、一方では、「窮まれば変じ、変じれば通ず」という「易経」の言葉のとおりに、「世の中が大激変の時期を迎えた時に、初めて、新たな時代が幕を開ける」という状況も予想されるのである。
つまり、「失われた20年」という言葉のとおりに、今までは、「日本人が、長いトンネルの中を、苦労して生き抜いた時代」だったが、今後は、「国家債務」や「デリバティブ」の問題が解消されることにより、多くの人が、新たな希望を持ち、より良い時代を送ることが予想されるのである。別の言葉では、いよいよ、最後の大混乱期が始まるものと考えているが、今後の「救い」となるのは、「ハイパーインフレは約6ヶ月間で終了する」ということだと考えている。