本間宗究(本間裕)のコラム
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2019.10.14
怒りの国連演説
「グレタ・トゥーンベリさんの国連演説」については、大きな衝撃を受けるとともに、「裸の王様」の物語における「少年」を思い出した状況でもあった。つまり、今回の演説は、「大人たちが、どれほど愚かな行為を行っているのか?」を痛切に警告したものと思われるが、この点については、「9月と10月に日本を襲った、未曽有の規模での台風」などにより、「地球温暖化の問題」は見事に証明されたものと感じている。別の言葉では、「お金や地位、あるいは、名誉」などに縛られた結果として、「地球を破壊するような行為を取っている現代人」に対して、強烈な批判となった出来事のようにも感じられたのである。
また、この点に関しては、「10月1日付けのFT紙(ファイナンシャルタイムス)」で、「ジリアン・テッド氏」が、「金融市場に気候変動の影 」という記事を掲載し、「気候変動が、金融市場に与える影響」をコメントしている。具体的には、「大型ハリケーンによる被害が増えている米フロリダ州などの沿岸地域は、金融機関、保険会社、住宅所有者に資産価格のショックをもたらす恐れがある」というものであり、このことは、「スペインやフランス南部、ギリシャ、イタリアなど、干ばつの増加が信じがたいほどに予想されている場所も同様である」とコメントされているのである。
しかも、よりショックな点は、「金融システムに与える悪影響」を指摘している事実でもあるが、実際には、私と同様に、「市場に急激なショックが発生する可能性」を憂慮しているのである。具体的には、「金融業界と政策立案者が、10年以上前に住宅のサブプライムローン(信用力の低い層への融資)がもたらす危険を大半の投資家が理解できなかったのと同様の構造的パターンに陥っている可能性」と指摘されているが、実際には、以前から申し上げているように、「国債価格の世界的な大暴落」の可能性と、「その背後に存在するデリバティブのバブル」のことである。
つまり、「過去10年余り」の期間は、「中央銀行のバランスシート」を大膨張させることにより、「金利の急騰」や「金融システムの崩壊」を防ぐことが可能な状況だったものと考えている。しかし、その結果として発生した現象は、「債務の宴」と呼ばれるような「過剰消費」や、あるいは、今回のような「地球温暖化」であり、現在では、この点に対して、世界中の人々が、根本的な原因に気付き始めているのである。別の言葉では、「王様」という権力者が「裸でパレードする」というような無謀な政策を実施している可能性に対して、世界中の人々が、「子供のような素直な目」を持ち始めたものと考えているが、この点については、たいへん近い将来に、答えが出るものと感じている。