本間宗究(本間裕)のコラム

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2019.10.21

FRBの短期債購入計画

10月12日の「日経新聞」で「FRBが、今後、毎月6.5兆円もの短期債を購入する」という記事が掲載されたが、この点については、きわめて要注意の状況だと感じている。つまり、私自身は、「9月17日」に、突如として発生した「翌日物金利の急騰」に関して、本当の原因が理解されていない状況を危惧するとともに、今後、「米国の中央銀行であるFRB」に関して、「資金繰りが、きわめて厳しくなる状況」を想定しているために、「本当に、短期債の購入が可能なのか?」を疑問視している状況とも言えるのである。

より具体的に申し上げると、「民間金融機関の簿外(オフバランス)」で取引されてきた「デリバティブ」に関して、今までに「約2000兆円もの不良債権」が処理されたものと考えているが、今後は、「残りの約6000兆円が気になる状況」とも言えるのである。つまり、「2008年のリーマンショック」で「デリバティブのバブル」が崩壊し、ピーク時の「約8京円」が、現在では、「約6京円」の規模にまで縮小したわけだが、「この時に発生した不良債権は、約2000兆円だった」ものと想定されるのである。

そして、今までは、「中央銀行の国債買い付け」により「金利の上昇」が食い止められ、「問題の先送り」が成功した状況とも考えられるのである。別の言葉では、「金利の上昇」、あるいは、「国債価格の下落」を抑えることが、「先進各国の中央銀行における、最も重要な目的」であり、今までは、ありとあらゆる手段が実施されてきたわけだが、「9月17日」に発生した「翌日物金利の急騰」については、すでに、「全ての手段が使い果たされた状態」を表しているものと考えられるのである。

その結果として、「一時的な資金供給」が実施され、かろうじて、「金融システムの崩壊」が防がれている状況とも言えるようだが、今後の注目点は、「このような状況下で、どのようにして、短期債を6.5兆円も買い続けることができるのか?」ということである。別の言葉では、「トランプ大統領の圧力」に屈した「パウエルFRB議長」が、「従来の方法により、金利の上昇を抑えようとして、今回の発表が行われた可能性」を想定しているが、実際には、まったく「逆の効果」が産み出される可能性も存在するのである。

具体的には、「9月17日」まで、「民間の金融機関」から「中央銀行」へ「資金」が流れていた資金が、その後、「逆の流れ」となった可能性のことだが、今回のような「短期債の購入」は、「この流れを、より加速する状況」が想定されるために、今後、「中央銀行であるFRB」に「資金繰りの問題」が発生することも考えられるのである。