本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.8.26

コロナ・ショック後の金融混乱

これから注意すべき点は、「コロナ・ショック後の金融混乱」だと考えているが、実際には、「民間部門の利益減少」が「民間金融機関の資金逼迫」を引き起こす状況であり、また、「税収減と歳出増」が「国家の債務問題」を増幅させる可能性である。つまり、今までは、「国民の命を救うために、政府が、ありとあらゆる手段を行使すべきである」という認識のもとに、世界各国が、すべての手段を使い切った状況とも言えるのである。

しかし、今後は、「BIS(国際決済銀行)」が指摘する通りに、「インフレ税」という「紙幣の大増刷で大インフレを引き起こし、借金を棒引きにする方法」しか残されていない状況とも考えられるのである。しかも、現在は、「インフレ指数の盲点」により、「世界中の人々が、インフレの到来に気づいていない段階」、すなわち、「沖に白波が立っていながらも、大津波の存在に気づいていない状況」のようにも感じられるのである。

つまり、今後は、「実体経済」の「約10倍」という規模の「マネー経済」に関して、「金融面の白血病」が発生する展開を想定しているが、実際には、「国債の買い支えができなくなった中央銀行が、一斉に、紙幣の大増刷を始める状況」のことである。別の言葉では、「1991年のソ連」と同様に、「国債の買い手」が消滅し、資金繰りに窮した「国家」や「中央銀行」が、慌てて、大量の高額紙幣を発行し始める展開のことでもあるが、過去の歴史からは、時間的な余裕がなくなった状況のようにも感じている。

具体的には、いまだに存在する「約6京円ものデリバティブ」が、金利上昇とともに、姿を現してくる状況、すなわち、「メガバンクの巨額損失」となって表面化する可能性も想定されるのである。つまり、国際的に認識されている「2006年から2009年のGFC(金融大混乱)」以降、「先進各国の中央銀行は、デリバティブの崩壊を隠すために、QE(量的緩和)という、国債を買い付けて、超低金利状態を形成した」という状況でありながら、ほとんどの人は、この事実に気付かなかったのである。

そして、今後は、今までの「ツケ」を払わされる時が到来したものと思われるが、この点に関する「現在の感想」は、「全てのことに大きな意味が隠されている可能性」であり、実際には、「天や神の計らい」とでも呼ぶべき状況である。つまり、「人類の進化」のために、すべての出来事が発生した可能性のことでもあるが、実際には、「世界の人々が叡智を結集して、地球環境の保全を考える必要性」であり、実際のところ、「米中の戦争」については、「時間的、経済的な余裕が消滅した状況」のようにも感じている。