本間宗究(本間裕)のコラム

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2020.8.26

コロナ・ショックが意味するもの

現在の「人々の最大関心事」は、やはり、「コロナ・ショック」とも言えるようだが、このことに関する注意点としては、お釈迦様の「象の教え」のとおりに、「この出来事だけに執着せず、全体像を捉えること」だと考えている。具体的には、「実体経済のマヒ状態」だけを考えるのではなく、「1971年のニクソンショック以降、実体経済とマネー経済が、どれほどの成長を見せたのか?」を具体的な数字で把握することである。

より具体的には、その時から、私が提唱する「信用本位制」という通貨制度が始まったわけだが、現在は、終焉の時を迎えようとしており、そのために、現在の「金融システム」を、より深く理解する必要性が存在するものと思われるのである。そして、この点に関して、決して、見逃してはいけない事実が、やはり、「デリバティブ」と「金利」の関係性であり、実際には、「1980年代の初頭から、デリバティブが大膨張を始め、その前後から、世界の金利が低下を続けてきた状況」だったのである。

しかし、現在、注目すべき点は、いよいよ、「金利の上昇」が始まろうとしている状況でもあるが、実際には、「デジタル通貨」という「目に見えないマネー」が、間もなく、完全消滅する可能性のことである。そして、この点に関して、再認識すべき点は、「大膨張したマネーが、世界の環境問題を引き起こした事実」だと感じているが、実際には、今まで、「地球環境を破壊してでも、デジタル通貨を獲得するべきだ」というような意識のもとに、経済活動が優先されてきた状況のことである。

別の言葉では、今後、「経済成長のコスト」とでも呼ぶべき「自然災害による被害」に耐え切れなくなる可能性も存在するわけだが、実際には、「人類の存在」そのものが許されなくなるような「自然災害」、あるいは、「地球環境の激変」をも考える段階に入ったようにも感じられるのである。そして、このような状況下で最も注目すべき点は、やはり、「金利の動向」だと考えているが、実際のところ、現在の「世界的な金融システム」を俯瞰すると、今後は、「金利の上昇」が止まらないような状況も想定されるのである。

つまり、「中央銀行の実情」を精査すると、「わずかな金利上昇で、デリバティブの完全崩壊と紙幣の大増刷が予想される状況」となっているのである。そのために、今後の注意点は、「どのような商品と通貨が生き残るのか?」を考えることであり、実際には、「衣・食・住」という「生活の基本」であり、また、「貴金属」という「本来の通貨」でもあるが、その後は、大混乱が終了した時から、新たな「東洋の時代」が始まる状況を想定している。