本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.3.9

金融メルトダウンの現状

「3・11の大震災」から10年経過した現在でも、「原発のメルトダウン」は危機的な状況となっているが、私自身としては、「世界的な金融情勢」を揺るがす「金融メルトダウン」の方が、より喫緊の問題のようにも感じている。つまり、「原発の問題」については、時間的な余裕が存在するものの、「2008年のリーマン・ショック」が引き起こした「金融界の大地震」、そして、その後に襲ってきた「金融面のメルトダウン」、すなわち、「インフレの大津波」については時間的な猶予が存在しない状況とも思われるからである。

別の言葉では、「金融の逆ピラミッド」を形成する「デリバティブ」や「債券」、そして、「預金」などにおいて、「約8京円」の規模にまで大膨張した「デリバティブ」が、「2008年以降、デジタル通貨を通じてメルトダウンを起こしている状況」のことである。つまり、今までは、「金融界のブラックホール」の内部で、「デジタル通貨」が「国債」や「ビットコイン」などのバブルを発生させてきたが、現在では、「超低金利状態の蓋」が剥がれ落ちるとともに、「紙幣」などの形で、「現実世界への資金流入」が始まっているのである。

そして、この点を理解するためには、やはり、「三次元の経済学」という「現時点の実体経済を古典的な経済理論で解明する方法」ではなく、「四次元の経済学」という「過去の歴史を遡り、マネー経済と実体経済が、どのような相関関係で変化してきたのかを考える理論」が必要だと考えている。別の言葉では、「四次元の経済学」を利用すると、きわめて明快な現状説明が可能な状況のようにも感じているが、実際には、「時が全てを証明する」という言葉のとおりに、「多くの人々が、現状理解に悩み苦しんだ時」にはっきりするものと思われるのである。

具体的には、「日米欧の中央銀行が、今後、どのような行動を取るのか?」ということであり、この点に関して、現在、最も必要なことは、「決して、表面上のコメントを信用しない態度」のようにも感じている。つまり、「第二次世界大戦末期の大本営発表」のとおりに、現在では、明らかに無謀な説明が行われている状況となっており、この結果として発生している現象が、「世界的な金利上昇」とも想定されるのである。

より具体的には、いまだに存在する「約6京円ものデリバティブ」に関して、たいへん近い将来に「本格的な崩壊」が発生する可能性のことだが、今後の注意点は、やはり、「紙幣の増刷」が広まった時に、「金融界の白血病」という「コンピューターのネットワークが利用できなくなる可能性」が指摘できるようである。