本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.7.22

自然科学と社会科学の次元格差

100年ほど前から「自然科学の次元急上昇」という大きな変化が始まっていたものと思われるが、実際には、「マクロの物理学」と言われる「ニュートンの古典力学」が切り開いた「四次元の世界」から、「ミクロの物理学」と言われる「量子力学」が切り開いた「より高次の異次元世界」、すなわち、現在、「11次元の世界」までに認識されている状況のことである。つまり、「目に見える大自然界」から「目に見えない法界(ほっかい)」へ「自然科学者の興味と関心」が移行しているものと考えられるが、一方で、「人間社会を分析する学問」においては、「経済学」を筆頭にして、いまだに、「三次元」に留まっていることも見て取れるのである。

より具体的には、「現時点における実体経済だけの分析」にとどまっている状態のことだが、この結果として発生した事態としては、「マネーの大膨張が引き起こした地球の温暖化」とも考えられるのである。つまり、「一部のメガバンクが創り出したデリバティブ」、そして、「先進各国が、この事実を利用し、異常な超低金利状態を産み出した事実」により、現在では、「世界全体で、地球環境よりも、お金の方が大切である」というような意識が産み出されてしまったのである。

別の言葉では、「お金の謎」や「金融システムのメカニズム」などが解明されなかったために、「先進各国の当局者や一部のメガバンクが、大きな利権を獲得した状況」のことである。つまり、「過剰な債務を基本にした、異常な消費社会の形成」のことでもあるが、実際のところ、「大都市の形成」、そして、「高層ビルやタワーマンションなどが乱立する状態」については、すでに、「文明社会の墓場」と揶揄する人も出ているのである。

そして、今後の懸念としては、「超低金利状態が産み出す経済的な利益」よりも、「自然災害による経済損失」の方が、はるかに大きくなる状況、すなわち、「大自然の摂理が働き出した結果として、人類の淘汰が始まる展開」も想定されるのである。つまり、「社会科学の次元上昇が起こらない限り、自然災害が悪化し続ける可能性」のことでもあるが、現在の問題点としては、いまだに、「多額の投資により、自然環境が守られる」という錯覚が指摘できるようである。

別の言葉では、「大インフレによるマネーの消失」こそが、新たな時代を生み出す原動力になるものと考えているが、この点に関して参考になるのは、やはり、「明治維新」や「第二次世界大戦」の後に、「日本人」が見せた行動力だと感じている。