本間宗究(本間裕)のコラム

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2021.9.5

菅首相辞任の歴史的な意味

「日の下に新しきものはなし」という言葉のとおりに、「どのような出来事も、本質的には、過去の歴史の繰り返しではないか?」と思われるが、一方で、「人間社会の歴史的な発展」を考えると、「どのような出来事も、全てに、大きな意味が含まれているのではないか?」とも感じている。つまり、今回の「菅首相の辞任」については、「現在の世界的な異常気象」と同様に、「単純な歴史観」ではなく、「人間社会が、現在、どのような発展過程に位置しているのか?」を考える必要性があるものと思われるのである。

具体的には、「5000年ほど前から始まった通貨の歴史」であり、また、「800年ごとに繰り返される東西文明の交代」、そして、「自然科学と社会科学の次元格差」などのことだが、現在は、「非理法権天」の言葉のとおりに、「権力の暴走」が行き詰まりを見せるとともに、「天地自然の理」が働き始めた状況のようにも感じている。別の言葉では、「西洋の唯物論」から「東洋の唯心論」への移行に関して、大きな節目を経ている可能性のことだが、実際には、「世界の膿み出し」という「今までの矛盾解消」に関して、いよいよ、「目に見えない金融ツィンタワー」が世界的に認識され始めた可能性である。

より詳しく申し上げると、今までは、「人事権の乱用」などにより「政治や金融界の歪み」が発生したものと考えているが、今回の「菅首相の辞任」は、「どのような歪みが存在するのか?」、そして、「これから、どのような事態が展開するのか?」に関して、大きなヒントを与えてくれたものと想定されるのである。別の言葉では、「金利の上昇が、今後、どのような影響を世界経済に与えるのか?」ということでもあるが、この時に大きな意味を持つのが「20年後の金融ツィンタワー」とも考えられるのである。

つまり、「デリバティブ」と「債券」の「二つの目に見えない金融タワー」がそびえ立つ状況のことだが、この点については、「人間社会の歴史上、似たような現象が存在したものの、規模的には前代未聞の事態である」という事実が指摘できるものと感じている。別の言葉では、「人類の精神的なレベルが、より高度な次元にまで高められなければ、現在の問題が解決できない可能性」とも言えるようである。

具体的には、「戦争に関する費用をゼロにして、自然災害に関する問題に対処する必要性」、あるいは、「時代錯誤のマルクス主義」を復活させるのではなく、「人間社会が、どのような歴史を経て、現在の状態にまで発展してきたのか?」を考えること、すなわち、本当の意味での「共同体(コミュニティー)」を模索することなどである。