本間宗究(本間裕)のコラム
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2021.9.18
デリバティブバブル崩壊のXデー
現在は、「時間の経過とともに、いろいろな事実が発覚している状況」とも言えるが、先日、米国が発表した「2019年9月17日の金融大混乱に関する報道」は、私の予想どおりの状況であり、また、「11月23日に何らかの大事件が発生する可能性」に関して、より大きな危惧を抱かせるものだった。具体的には、「2019年9月17日に、NY地方連銀が、一日で約531.5億ドル(約6兆円)もの資金供給を実施した」という点に関して、「資金供給の相手先がデリバティブの関連金融機関だった」という事実である。
より具体的には、「ドイツ銀行」を中心にして、「デリバティブの取引に問題が発生した可能性」であり、その結果として、「中央銀行と民間金融機関との間で、資金の流れが逆流を始めた可能性」である。別の言葉では、「民間金融機関から資金を借りて、国債などを買い付けていた状況」に関して、「民間金融機関が保有するデリバティブに、大きな問題が発生した展開」だったものと想定されるのである。
そして、その後は、「中央銀行のバランスシートを拡大させながら、国債の購入と民間金融機関への資金供給を同時に実施する」という状況が継続したわけだが、現在の問題点は、「世界各国の中央銀行に、資金繰りの問題が発生した状況」とも言えるのである。つまり、「中央銀行に『打ち出の小鎚』は存在せず、必ず、誰かから資金を借りる必要性が存在する」という事実のことである。
より具体的に申し上げると、「日銀の当座預金」については、「民間金融機関からの借り入れ資金」であり、また、「将来的に、返済せざるを得ない性質の借金」とも言えるわけである。そして、このような状況下で、現在、「日銀」を始めとした「世界各国の中央銀行」が取れる手段は、「紙幣という借用証書を発行して、国民から資金を借りる手段」とも言えるのである。
しかも、「暦のフラクタル(相似形)」から言えることは、「2021年の11月23日」が「2019年の9月」と「同じ暦」となっており、私自身としては、「この前後に、デリバティブの時限爆弾が連鎖破裂を始めるのではないか?」とも感じている次第である。つまり、現在の問題点は、「テーパリング(国債買い付け金額の縮小)」などではなく、「世界各国の中央銀行が、どのようにして資金を調達するのか?」という、「金融システムの根本」が問われる状況であり、また、この点に関して、残された時間は、ほとんど消滅した状況のようにも考えられるのである。