本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.4.20

文明社会の相転移

複雑系の理論が指摘する「カオスの縁」や「相転移」には、大きな刺激を受けるとともに、「文明社会にも応用が可能ではないか?」と感じているが、具体的には、「400年毎に4種類の相が組成され、1600年で一回りする可能性」のことである。つまり、「文明法則史学」が教えることは、「西暦400年から1200年」が「東洋の時代」、また、「西暦1200年から200年」が「西洋の時代」を表しているという事実である。

そして、「唯物論」や「マネーの大膨張」などの特徴を持つ「西洋文明」については、「西暦1600年前後」に産み出された「時は金なり」という思想により、形骸化を象徴する「文明の後半期」に入ったものと考えられるのである。つまり、「人々の意識」については、「目に見えるもの」を求めながら、「人々の行動」については、「自分のため」に向かい始めた状況のことである。

その結果として、現在では、「西洋文明から東洋文明への相転移」が発生しているものと思われるが、この要因としては、「人々の意識」が、「目に見えるもの」から「目に見えないもの」へ転換しながら、「人々の行動」は、依然として、「自分のため」という段階にとどまっている事実が挙げられるものと感じている。つまり、「自分」のことが大切ではあるものの、一方では、「目に見えない世界」である「量子力学」や「分子生物学」などが追及されることにより、新たな時代が始まる可能性である。

より詳しく申し上げると、現在は、「東洋の精神文明」の始まりであり、また、「心のルネッサンス」が求められる時代とも考えられるが、今回の特徴としては、「1600年前と同様に、巨額の財政赤字とインフレが指摘できるのではないか?」と感じている。つまり、当時と同様の「パンとサーカスの生活」については、今後、大きな変化を見せるとともに、「偶像崇拝」を否定し始める可能性も予想されるのである。

そのために、これから必要とされることは、「お釈迦様の象の教え」のとおりに、「全体像」を理解し、「一つの相」に固執しないことであり、実際には、「目の見えない人々が、初めて象に接した時に、一つの部分だけに触り、全体像を理解しようとする愚行」を繰り返さないことである。つまり、現在の問題点は、「時間とともに空間がどのように変化するのか?」が理解できないために、さまざまな「悩み」や「苦しみ」が発生する状況とも言えるようだが、今後の変化として予想されることは、「AIの応用」や「世界的な意見の集約」などにより、全く新たな解決策が導かれる可能性だと考えている。