本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.5.4

パンデミックの大津波

今回の「コロナウイルスのパンデミック」は、まさに、「大津波のような状態」で、何度も世界を襲ったが、この点に関する私自身の感想は、「今後の『インフレの大津波』に応用可能ではないか?」ということである。つまり、世界各国で、いろいろな違いはあるものの、「現在の日本で、第六波から第七波のコロナ流行が訪れている状況」は、「人々の認識」と「実際の被害」との関係性で、今後の参考になるものと思われるのである。

具体的に申し上げると、「第一波」の時には、「人々の驚き」は大きかったものの、「実際の被害」としては、ごく一部の人々に限られていた状況だったが、その後、波の数が増えるにつれて、「実際の被害者数」は増えるものの、「人々の驚き」は、反比例して減少していったことも見て取れるのである。そして、最後の段階では、「集団免疫の獲得」というように、「普通の風邪のような状況」となって収束するものと思われるが、前述のとおりに、私自身は、現在の「インフレ」も、今後、同様の展開が想定されるものと感じている。

つまり、現在の「世界的なインフレ」については、各国で違いはあるものの、「第二波」から「第三波」に差し掛かった状況であり、実際には、「人々の驚き」が大きいものの、「実際の被害」については、まだ、「徐々に、多くの人々が感じ始めている段階」とも想定されるのである。そして、今後は、「第三波」から、「第六波」、あるいは、「第七波」前後までの移行を予想しているが、具体的には、「1923年のドイツ」や「1991年のソ連」などのように、「最後の段階で、高額紙幣の大増刷が実施される展開」のことである。

そのために、現時点で必要なことは、「正確な現状認識を持ち、決して、慌てたり、騒いだりしないこと」であり、また、実際の対応としては、「中央銀行が、国債価格の暴落を受けて、いつ、紙幣の増刷を始めるのか?」に注目することだと考えている。つまり、現在は、まだ、「インフレ率の上昇」に見舞われながらも、「日本」を筆頭にして、「国債価格の暴落」を防ぐための「国債の買い支え」が継続して実施されている状況とも言えるのである。

しかし、今後は、「時間の経過とともに、インフレ率や金利の上昇圧力が増える展開」となり、「国債価格の大暴落とともに、一挙に、紙幣の大増刷が始まる事態」が予想されるのである。つまり、「インフレの大津波」に関して、「第六波」や「第七波」という最終波動が訪れる展開のことだが、実際のところ、現在は、すでに「時間的な余裕」が無くなるとともに、間もなく、「人々の被害や混乱が増えるとともに、インフレが当たり前になる時期」が訪れるものと考えている。