本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.6.20
財政健全化の旗
6月19日に開催された「令和臨調」で、岸田総理は「財政健全化の旗を掲げ続けなければならない」と述べたが、この事実から思い出されることは、やはり、「1945年の状況」であり、実際には、「最後の最後まで、日本人を戦争に駆り立てた展開」のことである。具体的には、「1868年の明治維新から77年後の1945年に、日本が戦争に敗れた状況」のことだが、その77年後の「2022年」においては、「日本のみならず、全ての先進各国が、金融戦争に敗れる可能性」が出てきたのである。
そして、このキッカケとなるのが、「1991年のソ連」と同様に、「国債の買い手消滅による金利の急騰」だと考えているが、現在では、「世界各国で、急速な利上げが実施され、国債価格の下落が顕著になり始めている状況」とも言えるのである。つまり、現在は、「金融界の大量破壊兵器」と言われる「デリバティブ」の破裂が近づいている段階とも思われるが、仮に、私の想定どおりの大事件が発生すると、その後は、「1945年の日本」と同様に、「人々の意識と行動が、大きく変化する可能性」も考えられるのである。
具体的には、当時の「軍国主義から民主主義への大転換」のような変化が発生する状況のことだが、今回も同様に、「大混乱の発生後、時間の経過とともに、徐々に、現状認識が可能になる展開」を想定している。つまり、「焼け野原の中から、徐々に、歩みを始めた状況」のことだが、今回は、「デジタル通貨の完全崩壊」という「金融面の焼け野原」の中から、次の時代を模索する動きが始まるものと考えられるのである。
そのために、これから必要とされることは、「1971年のニクソンショック」から始まった「信用本位制と呼ぶべき通貨制度」に関して、「過去50年余りの期間に、どれほどのマネーが創り出されたのか?」、あるいは、「世界の実体経済が、どれほど、デジタル通貨の大膨張に影響を受けたのか?」を理解することである。そして、この手法により、「デジタル通貨の消滅後に、どのような時代が訪れるのか?」、あるいは、「所得が激減した時に、どのような世界が展開するのか?」が想像できるものと思われるのである。
より詳しく申し上げると、「1991年のソ連」や「1945年の日本」、あるいは、「1923年のドイツ」などを参考にしながら、「今後、人々は、どのような錦の御旗を掲げるのか?」を考えることである。そして、この時の反面教師となるのは、やはり、現在の「政治家」や「官僚」、そして、「学者」などであり、今後は、「理論よりも実践が重要視される時代」が訪れるものと感じている。