本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.8.29

旧統一教会とデリバティブ

7月8日に発生した「安倍元首相の銃撃事件」には、いろいろな観点から、大きな驚きを覚えたが、具体的には、「安全な日本で、なぜ、このような重大事件が発生したのか?」ということであり、また、「なぜ、今回の事件が、より大きな波紋を描くこととなったのか?」ということだった。別の言葉では、「すでに解決済みと思われていた霊感商法などの問題が、なぜ、いまだに、水面下で発生していたのか?」、あるいは、「なぜ、政治家が、旧統一教会と、深くかかわっていたのか?」ということである。

つまり、今回の事件は、「一部の人々が継続して追求しながらも、マスコミで、ほとんど報道されなかった問題」に関して、「ある日、突然、大事件をキッカケにして、全国の人々に知れ渡った」という状況であり、この時に私自身が感じたことは、「このような展開は、今後、デリバティブの問題に当てはまるのではないか?」ということだった。具体的には、私が想定する「デリバティブの時限爆弾が破裂する事件」をキッカケとして、「世界全体が、さまざまな事実に気付かされる状況」であり、実際には、「世界のマネーが、大きな変質を遂げていた状況」のことである。

より詳しく申し上げると、「1971年からの約50年間で、世界のマネーに関して、質と量が、大きく変化した状況」のことだが、実際のところ、「金本位制のもとで制限されていたマネーの発行量」に関しては、現在、全く無視されている状況とも言えるのである。つまり、「市場による信用創造、あるいは、マネーの創造」に関して、「1980年代初頭から、デリバティブの大膨張が始まり、その結果として、大量のデジタル通貨が創造され、世界の金利が継続して低下した状況」のことである。

しかし、今後は、私が想定する「金融界の白血病」が発生し、「紙幣がコンピューター・ネットワークの中を流れることができない状況」に気付かされた人々が、慌てて、「従来の貨幣」とも言える「貴金属」などに殺到する展開も想定されるのである。別の言葉では、「お金(資本)が、この世や自分の人生で最も大切なもの(主義)である」というような認識を持っていた人々が、自分の間違いに気付かされる状況のことである。

その結果として、その後は、「世界の金融市場が大混乱の状態に陥る可能性」も想定されるが、この点に関して、最も重要なポイントは、やはり、「文明法則史学」が教える「800年に一度の東西文明の大転換」であり、今後は、この点を理解した人々が、「社会の成功者」と呼ばれるものと考えている。