本間宗究(本間裕)のコラム
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2022.10.22
中国の易姓革命
「4000年の歴史」を有する「中国」には、「易姓革命」の伝統があると言われるが、このことは、「王朝の交代」のことであり、実際には、「天子の徳が無くなれば、天命が別の姓の天子に改まり変わる」という中国の政治思想のことである。つまり、「昔の中国では、天子は天命によって決まると信じられていたために、天子や支配者に、その徳がなくなれば天命は他の人に代わり下る」と信じられていたのである。
そして、このような思想や伝統については、現代でも有効な状況のようにも思われるが、実際には、「中国共産党にも当てはまる可能性」であり、また、この点に関して、「ソ連の共産主義」が参考になる可能性のことである。つまり、「1991年」に崩壊した「ソビエト連邦」については、「1917年のボリシェビキ革命」から「70年余りの期間」にわたり継続した状況だったが、結果としては、「史的唯物論」や「誤った共産主義の解釈」などが原因となり、「天の徳」の真因とも言える「国民からの信頼感」が失われたものと想定されるのである。
別の言葉では、「軍事独裁による強権的な国家統治」が実施されたものの、「西洋諸国におけるマネーの大膨張」の結果として、「ソ連の国際競争力」が失われ、あっという間に、「世界第二位の経済大国」と言われた「ソ連」が、「70年余りの運命」を閉じる結果となった展開のことである。そして、現在の「中国共産党」も、かつての「ソ連」と、同じ運命を辿っているものと思われるが、基本的には、「1949年」に設立された「中華人民共和国」に関して、「天の徳」が失われている可能性のことである。
より詳しく申し上げると、「天地自然の理に反した行為」が繰り返されることにより、徐々に、「天の徳」が失われる可能性のことでもあるが、実際には、「国民の活力」が減少し、「統治者への反発心」が高まる状況とも言えるようである。別の言葉では、今まで、「西洋的な資本主義体制」に憧れる人々を大量に生み出しながら、現在では、反対に、「共産原理主義に拘る独裁的な統治者が、世界全体の民主主義国家を相手にして、軍事力で立ち向かおうとしている状況」のようにも感じられるのである。
つまり、現在の「中国」では、「疑似的な資本主義国家」を標榜することにより得られた「大量の資本や資産」が「軍事力」に浪費されるとともに、「将来の利益」を犠牲にするような政策が実施される状況となっているために、今後の展開としては、「国内からの信頼感の喪失」を表す「易姓革命」が予想されるものと考えている。