本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.11.7

FIREの問題点

現在、「FIRE(資金面での独立と早期退職)の失敗例」が数多く報告されているが、この理由としては、「資金面での独立」に関して、大きな誤解が存在する点が挙げられるようである。つまり、「レバナス」や「GAFAM」などの言葉が一般的な状況となったように、ほとんどの人は、「米国株に投資すれば、将来的に、資金面での問題が無くなる」と錯覚した状況ようにも感じている。

別の言葉では、「投資の極意」の一つが、「人の往く裏に道あり花の山」という「相場の格言」のとおりに、「人気がなく、割安に放置されている銘柄への投資」であり、その後、「人気化し、バブル的な状況」となった時には、残高を減らす必要性が存在するのである。つまり、本当の意味での「資金面での独立」に関して、私自身の経験からは、「最低でも、10年間の投資実践」、あるいは、「相場のピークと底を、自分自身で、実際に経験すること」が必要なものと思われるのである。

そして、このような経験を繰り返すうちに、「相場の奥深さ」が、より一層、理解されるものと考えているが、実際のところ、「現在の相場において、最も必要とされるのが、マネーの謎を理解すること」とも考えられるのである。つまり、現在の「世界的な金融混乱」と、その主因である「世界的なマネー大膨張」については、「過去2000年間の貨幣史を理解する必要性」があるものと思われるのである。

より詳しく申し上げると、すでに始まっている「インフレの大津波」に関しては、「1980年代初頭から始まったデリバティブの大膨張と金利低下のメカニズム」を理解する必要性があるものの、ほとんどの投資家は、「デリバティブとデジタル通貨が産み出したDXバブル」に酔い痴れてしまったものと思われるのである。つまり、「投資の実践」として、絶対に避けるべき行動である「バブル相場への参加」を行ったために、「バブルの特徴」とも言える「崩壊後、約10年にわたり、低迷する可能性」を、甘んじて受け入れなければならない状況のようにも感じられるのである。

そのために、現時点での救済策としては、「できるだけ早いうちに、DXバブル銘柄から貴金属や割安株への銘柄入れ替えを実施する方法」だと考えているが、この点に関して必要な理解は、「約5000年前に人類が発明した『お金(マネー)』は、基本的に、『金(ゴールド)』だったものの、1971年のニクソンショック以降、単なる数字が、『お金』に変化した事実」だと考えている。