本間宗究(本間裕)のコラム

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2022.11.15

魂の言語

シュペングラーの「西洋の没落」では、「時間と空間の関係性」を表す「四次元の社会科学」を超えて、「魂の研究」という「五次元の社会科学」にまで踏み込んでいるが、今回は、この点に関する興味深い表現について、私の「心の仮説」と照らし合わせてみたいと思う。具体的には、「魂の言語」に関して、「内生活の奏鳴曲は第一主題が意志であり、第二主題が思考と感情である」というものだが、「内生活の奏鳴曲」については、基本的に、「精神と肉体との関係性」を表わしているものと考えている。

また、「第一主題の意志」については、「自分の理想とする人生」、そして、第二主題の思考と感情」については、「現実の生活における苦悩」を表しているものと思われるが、実際には、「現実の生活や社会を経験した時に生まれる心の葛藤」とも言えるようである。つまり、私自身の「心の仮説」は、「肉体に、魂(精神)が入った時に、心が生みだされる」というものであり、また、このような状況下では、「肉眼」と「心眼」との「違い」が発生することも想定されるのである。

より詳しく申し上げると、「現実と理想との差異」に関して、「なぜ、このようなことが起こるのか?」という「思考」、すなわち、「疑問」が生じるとともに、さまざまな「感情」が発生するものと思われるのである。つまり、「ヘーゲルの弁証法」や「仏教の悟り」のとおりに、「現実と理想との違いを理解し、また、問題を乗り越えるために、いろいろな努力をする状況」の結果として、「真理」に近づく展開のことである。

そして、この点については、「ケプラーの占星術」や「東洋の四柱推命」などで、深く研究されたことでもあるが、実際には、「いまだに多くの謎が存在する状況」とも言えるのである。別の言葉では、「西方浄土」という「理想の世界」を、「人間社会」に実現しようとするのが、「天や神の意志である」という認識のもとに、「天と人間との関係性」を、具体的な数字や言葉で説明しようとするものである。

より具体的には、「文明法則史学」や「四柱推命」が教える「歴史や時間のサイクル」を理解するとともに、「言霊(コトダマ)」や「数霊(カズタマ)」の研究により、「天や神の智慧」に辿り着こうとする努力のことである。つまり、「般若心経」が教えるとおりに、「色」という「現実世界」に対して、「受、想、行、識」という順番で、「神の智慧」を得る方法のことだが、今回、私自身が驚かされたことは、やはり、「ドイツ哲学において、100年以上前に、この点が研究されていた事実」である。