本間宗究(本間裕)のコラム
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2023.4.5
景気と金利
「投資の実践」において、大きな妨げとなるのが、「言語が明瞭でありながら、意味が不明な言葉」だと考えているが、実際には、「リスクオンやリスクオフなどの相場用語」であり、また、「データ資本主義やMMT(現代貨幣理論)などの経済用語」のことである。つまり、現在の「経済の説明」については、「歴史を振り返りながら、どのような商品や通貨が、どのような経緯を経て産み出されてきたのか?」などを考えることなく、単に、「現状説明に有用な言葉が用いられてきた状況」のようにも感じられるのである。
そして、この点に関して、現在、気になるのが、「景気と金利」という言葉であり、実際には、「景気が悪化すると、金利が低下する」という意見が、頻繁に聞かれるとともに、「国債の買い付け」に利用されている可能性のことである。別の言葉では、依然として、「デリバティブを利用した価格操作」が実施されている状況のようにも思われるが、この際に使われているのが、前述の「景気と金利」とも言えるのである。
そのために、今回は、「なぜ、この点に問題があるのか?」を考えてみたいと思うが、実際には、「実体経済の悪化」が「税収の減少」に繋がるとともに、「国債」に関して、「発行残高の増加と買い手の減少」に見舞われるものと考えられるからである。つまり、現在のように、「GDPの数倍の規模で国債が発行され、また、デリバティブで国債が買い支えられているような状況」においては、「景気の悪化が、金利の上昇を引き起こす可能性」が高まっているものと想定されるのである。
より具体的には、「デリバティブと債務の金融ツインタワー」の崩壊により、今後は、「金利の急騰」と「ハイパーインフレの発生」が想定される状況でありながら、実際には、「景気の悪化を理由にして、国債が買われている状態」となっているのである。つまり、「相場の落とし穴」とも言える局面に差し掛かっているようだが、この時に必要なことは、「今回の銀行危機が、今後、どのような展開を見せるのか?」を理解することだと考えている。
別の言葉では、「過去の歴史」を振り返りながら、「お金の謎」や「金融システムのメカニズム」を理解することでもあるが、今回、私が感じたことは、「1600年前の西ローマ帝国にまで、時代を遡る必要性」だった。つまり、「本来のお金である金(ゴールド)」に関して、現時点で必要とされることは、「どのようなメカニズムで、『信用創造』と呼ばれる『貨幣の創造』が可能だったのか?」、あるいは、「なぜ、1971年のニクソンショックから、『信用本位制』と呼ぶべき通貨制度が始まったのか?」の理解とも思われるのである。