本間宗究(本間裕)のコラム

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2023.9.26

ライプニッツのモナド論

今から300年ほど前に著された「ライプニッツのモナド論」では、「予定調和説」が述べられるとともに、「肉体と精神」、あるいは、「神と人間」との関係性などが議論されており、この点については、我々の「投資理論」にとっても、たいへん参考になるものと考えている。つまり、「相場は常に正しい」と考える態度のことでもあるが、実際のところ、我々が投資の実践で避けるべき思考としては、やはり、「自分の考えは正しいが、相場が間違っている」という認識が指摘できるものと思われるのである。

別の言葉では、以前に指摘した「ノーマティブ」と「ポジティブ」な思考の違いでもあるが、実際には、現在の「中国の苦境」や「シリアの洪水」などを見て、「問題を隠すな」とか「人災を止めよ」と考えるのではなく、「なぜ、このようなことが起こったのか?」を、素直に考える態度のことである。つまり、「人知」の至らなさを理解しながら、「神の知恵」や「天の計らい」などに想いを致すことであり、このような態度こそが、「投資」においても、成功につながる態度のようにも感じられるのである。

より詳しく申し上げると、「138億年の歴史を持つ宇宙」や「46億年の歴史を持つ地球」、そして、「数万年の歴史しか持たない人類」や「数千年の歴史しか持たない人知」などについて深く考えることである。つまり、「旧約聖書」で述べられている「初めに言葉ありき」や「光あれ」などの言葉について、いろいろな思いを巡らすことでもあるが、実際には、「自然科学」が「神の創った世界」を研究する学問であり、また、「社会科学」が「人間が作った社会」を研究する学問である可能性などを考えることである。

その結果として、現在では、「11次元にまで達した自然科学」と比較して、「3次元に留まっている社会科学」の未熟さにより「さまざまな問題が発生している可能性」が指摘できるものと思われるのである。つまり、「マネーの大膨張が、なぜ、発生したのか?」、あるいは、「現在の自然環境破壊が、人類の飽くなき欲望によってもたらされたのではないか?」などの問題点が、いまだに、ほとんど議論されていない状況のことである。

より具体的には、「現在」と「1600年前の西ローマ帝国」を比較しながら、「これから、どのような社会が訪れるのか?」を考えることでもあるが、このときに参考になるのが、冒頭の「ライプニッツ」であり、また、「ヘーゲル」や「シュペングラー」などの西洋哲学、そして、「東洋哲学」や「文明法則史学」などだと考えているが、最も重要なポイントは、「日々の出来事が、天や神からのメッセージである」という認識とも言えるようである。