本間宗究(本間裕)のコラム

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2024.10.9

赤子が泣き始める時

「泣く子と地頭には勝てぬ」という諺のとおりに、現代版の「地頭」とでも呼ぶべき「税金の徴収」については、現在、「多くの国民が増税に悩まされている状況」であり、しかも、海外では、「米国を中心にして、国家の財政赤字が持続不能な状態に陥る可能性までもが危惧される状況」となっているのである。つまり、「誰が、今後、国債を買い、国家に資金を供給するのか?」が、世界的に議論され始めている状況とも言えるが、この点については、「過去の歴史を振り返りながら、どのような推移だったのか?」を考える必要性があるものと感じている。

具体的には、「1945年の敗戦以降、日本で、どのような種類の税金が課されたのか?」を考えることであり、実際には、「1965年までが、所得税などの『目に見える現在の税金』が課された状況」だったことも理解できるのである。そして、その後は、「国債の発行」という「目に見える将来の税金」が課され始めたものの、実際には、「国家の財政赤字と債務残高が増え続ける一方の状況」だったことも見て取れるのである。

つまり、「1945年から現在までの約80年間における税金徴収」については、「お米を炊く時の格言」である「初めちょろちょろ、中ぱっぱ、赤子泣いても蓋取るな」のような展開であるとともに、現在は、最後の「赤子が泣き始める段階」に差し掛かったものと思われるのである。具体的には、「デリバティブの大膨張」と「量的緩和(QE)の金融政策」が、「民間金融機関のオフバランスシート大膨張」と「四種類の税金の三番目である、中央銀行による『目に見えないインフレ税』が課された状態」に相当する可能性である。

しかし、現在では、「中央銀行の資金繰り」に問題が出始めるとともに、世界各国が、「CBDC(中央銀行デジタル通貨)の大量発行か、あるいは、紙幣の大増刷」を実施せざるを得ない状況に追い込まれた段階のようにも感じられるのである。そして、このことは、「お腹をすかせた赤子が泣き始めたような状況」とも思われるが、この時の問題点としては、「水蒸気のような状態であるデジタル通貨が、外気によって、一気に冷やされる可能性」とも認識できるのである。

具体的には、現在の「デジタル通貨」が「裸の王様」のような状況、すなわち、「裏付けが存在しない状態」であることに気付いた人々が、一斉に、「貴金属」や「食料」などの実物資産に殺到し始める展開であり、実際には、このことが「四種類の税金の四番目」である「目に見えないインフレ税が、国民の気付く形で課される状況」を表しているのである。