ストックマーケットレポート・サンプル 2020.4.10号

* サンプルとして、冒頭の約1ページ分を掲載しております。

1:ファンダメンタル

「3月」に実施された「米国の金融政策変更」は、ご存じのとおりに、「政策金利を二度下げて、実質上のゼロ金利にした」、しかも、「無制限の量的緩和について宣言を行った」というように、きわめて異例なものでもありました。そして、将来的には、「大インフレの始まりを告げる政策変更だった」と言われるものと考えていますが、実際には、「すべての手段を使い果たした状況」であり、また、「最後の手段」である「紙幣の増刷」に関して、「今後、大々的に実行することを、世界に宣言したような状況」のようにも感じています。

マネー膨張のイメージ図

(出典:株式会社テンダネス)

しかも、今回の「金融政策の変更」により、私自身も、「マネー膨張のメカニズムに関して、最後の問題が解けたのではないか?」と感じられましたので、最初に、上記の「マネー膨張のイメージ図」から説明させていただきます。つまり、私自身としましては、今まで、最後の「発散過程」について、「正確なメカニズム」が、よく理解できていなかったわけですが、今回は、「信用創造に関する曖昧さ」が克服できるとともに、「すべての謎が解けたのではないか?」とも感じられたわけです。

そのために、今回、改めて、「過去20年あまりの展開」を振り返ってみましたが、その結果として気付かされたことは、「1999年に、なぜ、ITバブルが発生したのか?」、より具体的には、「なぜ、国債のバブルが弾けなかったのか?」ということに関する「新たな気付き」でもあったわけです。そして、「デリバティブのバブルが産み出した超低金利状態、あるいは、金融界のブラックホール」について、一種の「タイムスリップ」のような感覚を持ったわけですが、実際には、「今回の国債バブルは、本来、1999年に発生していたはずだったのではないか?」ということです。