本間宗究(本間裕)のコラム

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2012.10.29

国債にあらずんば、資産にあらず!?

「歴史は繰り返す」という言葉のとおりに、世の中には、「一定のサイクル」があり、また、この要因となるのが、「人々の意識や行動」ではないかと考えている。具体的には、現在、放映中の「平清盛」において、「平家にあらずんば、人にあらず」という言葉が生まれるほどの繁栄をした「平家」が、その後に、「あっという間の没落」をしたわけだが、この原因を考えてみると、「権力の集中」や「権力者の奢り」、そして、「人々の不満や憤り」などの「意識や行動の変化」が考えられるのである。

つまり、「権力や富が偏在し、しかも、一握りの人々が、その権力を思いのままに行使する」というような「権力の極み」とでも呼ぶべき状況が生まれた時に「世の中の大転換」が起き、「絶対的な権力者が、あっという間に、滅びてしまう」という構図のことである。そして、このような事例は、歴史を尋ねると、頻繁に見られることだが、興味深い点としては、「当時の人々は、平家の繁栄が永遠に続き、源氏の再生などは、有り得ないことである」と感じていたことである。

しかし、「歴史の醍醐味」としては、ご存じのとおりに、「1181年に平清盛が逝去した後に、1185年の源平合戦が起き、この戦いにより平家が滅亡した」というほどの、大きな変化が起きたのである。また、その後、「1192年に鎌倉幕府が誕生した」という事実については、たいへん有名な出来事でもあるのだが、この点を、よく考えてみると、「源氏と平家の争い」により実際に崩壊したのは、「平家」のみならず、「平安の貴族政治」でもあったようだ。

このように、「時代の大転換期」に起きることは、往々にして、「二つの勢力が争うことにより、それまでに存在した根本的な基盤が崩れてしまう」ということだと思われるが、このことは、「明治維新の時に、開国派と攘夷派が争い、結果として、幕藩体制が崩壊した」というような状況のことである。そして、このような観点からは、現在の「自民党と民主党との争い」が、たいへん気にかかるのだが、実際には、「官僚支配体制の崩壊」が起きる「前兆」とも考えられるようである。

つまり、「官僚や政治家にあらずんば、国民にあらず」というような状況や、あるいは、「国債にあらずんば、資産にあらず」というような状態が、間もなく、大転換期を迎えているものと考えているが、現在では、「国民の不満や憤り」が限界点に達しており、結果として、「既存の金融システムや通貨制度などが崩れる可能性がある」ということである。