本間宗究(本間裕)のコラム

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2012.12.8

干支から見る2013年

「2013年」は「癸巳(みずのとみ)」という暦になるが、「癸」が意味することは「田畑が枯れて、畦道がはっきりと見える」ということであり、また、「巳」は「今まで地中に潜っていたものが、表に顔を出す」ということを表している。そして、二つを合わせて考えると、「現在の金融混乱の本質が、世界中の人々の目に明らかになる」ということであり、かつ、「今まで隠されていた本当のインフレが、誰の目にも見えてくる」という状況が想定されるようである。

つまり、現在の「最大矛盾」とも言える、「実体経済」に対して「マネー経済」の規模が「約20倍」にまで膨らんだという事実が理解されるとともに、「日米欧の財政破綻」という「歴史上、初めてとも言える非常事態」が発生することが想定されるのである。別の言葉では、「2008年のリーマン・ショック」以降、無理に無理を重ねた「世界の金融政策」が、行き詰まりを見せることが予想されるのだが、このことは、いわゆる「リフレーション政策」という「中央銀行のバランスシートを大膨張させることにより、国債などの金融資産を買い支える」という方法のことである。

その結果として、現在では、目に見えない「二つの金融ツインタワー」が、世界的にそびえたっているのだが、具体的には、「1000兆円を超える日米の国債残高」であり、かつ、「2.8京円と1.8京円の残高にまで膨らんだ英米のデリバティブ」のことである。そして、これから起きることは、「金融のメルトダウン」という「デリバティブや国債の価格崩落」でもあるようだが、現時点で残された政策は、「最後の貸し手」である「世界各国の中央銀行」が、「紙幣の大増刷により、借金をすべて返済する」という方法しか存在しないのである。

つまり、歴史上、頻繁に繰り返されてきた「古典的な解決策」が、今回も、再び、繰り返されようとしているのだが、今回の問題点は、「文明法則史学」が指摘するような「東西文明の交代」であるとともに、「1800年頃から始まった資本主義の終焉」ということである。別の言葉では、「ハイパーインフレにより、現在の『お金』が、急激に価値を失う」という状況が想定されるのだが、「終わりは始まり」という言葉のとおりに、その後から、「お金に頼らない新たな文明が幕を開ける」ということも予想されるのである。そのために、できるだけ多くの人が、これからの「本当の金融混乱期」を無事に乗り切り、その後、「次の時代が発展することに、世界中の人々が力を合わせる」ということを期待する次第である。