本間宗究(本間裕)のコラム
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2013.1.7
絶望から始まった「日本株の価格上昇」
昨年の「11月14日」に、「野田首相」と「安倍自民党総裁」との「党首対談」が行われ、この日から、日本株の急騰が始まったのだが、当時は、誰も日本株の上昇を期待せず、まさに、「絶望感の極致」とも言える状況だった。つまり、「相場の格言」のとおりに、「新たな強気相場が絶望の中から生まれた」ということだが、現時点では、「懐疑とともに育っている段階」とも言えるようだ。
具体的には、「多くの人が弱気でありながら、今までに溜まり続けた上昇エネルギーが放出される段階」ということだが、過去の経験則からは、「この段階においては、循環物色による全面高の相場が起きやすくなる」という結論が導かれるのである。また、今後は、「楽観とともに熟し、陶酔の内に終わる」という状況も想定されるのだが、今回の注目点は、やはり、「ギャロッピング・インフレ」や「ハイパーインフレ」の時期に、「どのような相場が展開するのか?」ということだと考えている。
つまり、「本当のインフレ」が始まった時には、「約1年」という短い期間に、「さまざまな商品が、信じられないほどの価格にまで高騰する」という事態が考えられるのだが、現時点では、「誰も、このことを想定していない段階」とも言えるようである。そのために、当面は、「円安」や「株高」が、「今後、どのようなスピードで進展するのか?」に注目しながら、同時に、「プログラム売買の動向」を見ていく必要性があるものと考えている。
具体的には、「円安になれば株高になり、また、金利が上昇する」という「プログラム売買の巻き戻し」のことだが、これから予想されることは、「ある時点で、一挙に、金利の急騰が起きる」ということである。つまり、本格的な「円安」が始まると、一挙に、「国債価格の暴落」が始まるものと考えており、その時には、「株価の急騰」という事態も想定されるのである。
そして、このような状況が「約6か月間」も継続した時に、私が最も恐れている「ハイパーインフレ」へと移行することも考えられるのだが、この時点では、「楽観」を通り越して「陶酔」のような状況になっていることも考えられるようである。このように、「2013年」には、これほどまでの大変化が起きることが予想されるのだが、実は、このような状況こそが、私が10年以上前から想定していた「最後の段階」とも言えるのである。そのために、当面は、「目先の利益」を享受しながらも、一方で、「冷めた目」を持つことが大切だと考えている。