本間宗究(本間裕)のコラム

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2013.1.29

第三次世界大戦の可能性

現在のマスコミでは、「有事に備えて軍事力を強化すべきである」、あるいは、「世界的な緊張が高まりつつあり、将来的に、日中の間で軍事衝突もありうる」というような意見が増えているようだ。そして、極端な人々は、「第三次世界大戦」の可能性まで示唆しているようだが、かりに、このような世界大戦が起きた場合には、「核爆弾の投下合戦が起き、地球上にだれも住めなくなるような事態」も想定されるのである。

そのために、私自身は、世界規模での戦争については、単なる杞憂にすぎず、今後は、地域的な軍事衝突程度で終わるものと考えている。そして、その理由として挙げられることは、「人々の予想は、往々にして、実現しない場合が多い」ということであり、また、「失敗の経験が残像として残っている間は、新たな失敗が繰り返されない場合が多い」という経験則が指摘できるからである。

つまり、「日本は神の国であり、決して、戦争に負けるはずがない」と心から信じていた国民が、「原爆投下により、敗戦に繋がった」という事実を忘れることはなく、また、今回の「3・11の大震災」により、「放射能被害の恐ろしさ」を、身をもって実感したために、現代の戦争とも言える「核戦争」に対しては、全力で阻止することが考えられるのである。

しかし、問題は、「まだ経験していない失敗に対しては、驚くほどの楽観主義に陥りやすい」ということであり、このことが、現在の「目に見えない金融戦争」のことである。具体的には、「デリバティブの大膨張」や「世界的な国債バブル」については、現在でも、ほとんど理解されておらず、「60数年前の日本人」と同様に、「日本国債が暴落するはずがない」と短絡的に信じ込んでいるのである。

そして、このような心理状態を利用して「世界的な金融コントロール」が起きていたのだが、さすがに、現在では、「全ての手段が使い果たされるとともに、世界的な国債価格の下落が見えてきた」という状況のようである。つまり、現在の「円安」や「株高」については、「プログラム売買の巻き戻し」が、根本的な原因であり、今後は、この動きが、急速に加速していくものと考えているのだが、この時に起きることは、「先進国の財政破綻」であり、また、「金融システム」や「通貨制度」などの完全崩壊である。別の言葉では、現在の「金融大戦争」が終了することが予想されるのだが、問題は、「この過程で、現在の金融資産が、ほとんど価値を失ってしまう」ということである。