本間宗究(本間裕)のコラム
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2013.3.27
グレートローテーション
最近、海外では、「グレートローテーション(大転換、大循環)」という言葉が使われ始め、「世界の資金は、債券から株式へ大きく移動し始めている」と考えられているようだ。つまり、現在の「世界的な株高」を説明する理由として、ようやく、「世界の資金」が、どれだけ存在し、また、「どの資産が、これから値上がりするのか?」を考え始めたようだが、この時の注意点としては、「過去100年間に、どのような方法で、どれほどの信用創造が行われたのか?」を考える必要性があるものと考えている。
あるいは、「なぜ、現在、先進国で超低金利の状態になっているのか?」、また、「なぜ、日米欧の国債価格が、史上最高値圏に位置するのか?」という点に対して、歴史的な考察をしない限り、「現状認識」ができないばかりでなく、「今後の予想」も難しくなるものと考えている。別の言葉では、「財政破綻に瀕している先進国にとって、なぜ、ゼロ金利政策が可能だったのか?」という点を考慮することだが、この理由としては、今までに繰り返して申し上げた通りに、先進国が連携して、「国債の買い支え」、あるいは、「国債の持ち合い」が行われていたことが指摘できるようだ。
特に、過去10年ほどは、「2004年から2008年」までの期間に「約5京円ものデリバティブの大膨張」が起き、その後、「2009年から2013年」までは、「中央銀行がバランスシートを大膨張させて、国債を買い付ける」という、いわゆる「リフレーション政策」が実行されてきたのである。しかも、この間に行われてきたことは、「日本国債」を中心にして、「国債を買い、円高にし、かつ、株式や金を売り叩く」という「プログラム売買」が大量に行われてきたのだが、現在では、「スカイネットの崩壊」という言葉のとおりに、「プログラム売買の巻き戻し」が起き始めた状態とも言えるのである。
そのために、これから想定されることは、本当の意味での「グレートローテーション」だと思われるが、具体的には、「フィアットマネー(政府の発行する法定不換紙幣)」を基本にした「現在の金融商品」から、「貴金属」や「株式」、あるいは、「土地」などへの「実物資産」へと、資金が大量に移動を始めるということである。
別の言葉では、典型的な「ギャロッピング・インフレ」のことだが、この時に起きることは、「実物資産の価格急騰」であり、また、「国債価格の暴落」でもあるようだ。つまり、現在、最も割高に位置し、最も危機的な状況にある「日本国債」の価格が暴落を始めた時に、金融混乱の本質が、全て理解されるものと考えている。