本間宗究(本間裕)のコラム

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2013.4.16

金市場におけるブラックマンデー

4月15日(月)に起きた「金価格の暴落」については、たいへん驚かされたが、一方で、「国債を守る陣営」の焦りも、十分に見て取れるようだ。つまり、「このままでは、世界的なハイパーインフレに見舞われる」、そのために、「金価格を下げることにより、デフレを演出する」という思惑が存在した可能性があるからだ。その結果として、「金価格が、二日間で、230ドルも暴落する」という事態に見舞われたのだが、特に、「4月15日」の動きは、「金市場におけるブラックマンデー」とも言える状況でもあったようだ。

そして、この時に思い出されたのが、「1987年10月」に起きた、世界的な「株式のブラックマンデー」だったが、この時に起きたことは、「アメリカ株が、一日で、508ドル(22.6%の下落)も暴落した」ということだった。そして、当時は、「世界の終わりではないか?」というほどの悲観論が出る状況でもあったのだが、一方で、「このまま推移したら、数日後には、どこまで下げるのか?」という冷静な意見も出始めたのだった。

つまり、「男性的な下げは短期間で終了する」という相場の鉄則が思いだされることにより、「暴落は短期間で終了し、その後に、本格的なバブル相場がスタートした」という状況でもあったのである。具体的には、「日本株」を中心にして、「個人投資家が参戦し、史上最大のバブル相場が形成された」ということだが、実は、このキッカケとなったのが、「1987年のブラックマンデー」だったとも考えられるのである。

そのために、今回の「金市場のブラックマンデー」についても、「同様の事態が想定されるのではないか?」と考えているが、現時点の「金(ゴールド)の市場規模」を、「世界の金融資産」と比較すると、おおよそ「700兆円」対「10京円」という、驚くべき比率になっている。つまり、本来は、「金(ゴールド)」を基本にして、さまざまな「金融商品」が創られたのだが、現在では、「本末転倒の極み」とでも呼ぶべき状態になっているのである。

そして、今後は、多くの個人投資家が、この点に気付き始め、「金」に対する興味を、より一層、持ち始めることが想定されるが、このような状況下で、今回の「金価格の暴落」が起きたことには、大きな意味が存在するようだ。つまり、今回も、「1987年の日本株」と同様に、「これから、本格的な金(ゴールド)のバブル相場が発生する」という可能性が高くなっているようだが、この時に、「黒田日銀総裁」の金融政策を合わせて考えると、これからの数か月間は、本当の意味での「金融混乱期」が起きるようである。