本間宗究(本間裕)のコラム
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2013.6.25
マネーの暴走
現在、世界の金融市場は「鉄火場」とも言える様相を呈しているが、このことは、「日本株」のみならず、「国債」や「貴金属」の価格、そして、「為替」までもが、大きな乱高下の状態となっていることである。そして、このような状況下で起きることは、「CashIsKing(現金が王様)」という言葉のとおりに、「預金や現金を持つことが、最も安全だ」という「考え」が広まることだが、ご存じのとおりに、今回も、同様のパターンが繰り返されたようである。
つまり、過去のバブルの時にも、このような動きを、何度か経験したのだが、その後に起きることは、「本当に安全な資産へ、資金が殺到する」という動きだった。具体的には、「10年以上前のITバブル」や「20年ほど前の日本株バブル」の時にも、多くの人が、訳が分からなくなった結果として、「一時的に、現金や預金へ資産が避難する」という状況が起きたのである。しかし、私の記憶では、「このような状態は、ほんの数日しか継続せず、すぐに、本命の商品へと資金が流れ始めた」という状況でもあったのだが、今回も、同様の動きが想定されるようだ。
つまり、現在の状況下では、「預金」や「現金」は、決して、安全な資産とは言えず、間もなく、「本当に安全だと思われる資産に対して、世界中の資金が殺到する」という状況が予想されるのである。また、「なぜ、今回のような、金融市場の乱高下が起きたのか?」を考えると、結局のところは、「権力の暴走」が行き詰まりを見せたために「市場のコントロールが効かなくなった」という状況が考えられるようである。
別の言葉では、「世界的な金融大戦争」が、大きな分岐点に差し掛かった結果として、転換点に特有の「波が高くなる状態」が起きた可能性のことである。そして、今後の展開として考えられることは、膨大に膨れ上がりながらも、コントロールが効かなくなった「世界のマネー」に関して、「暴走」が起きることだが、実際には、「ボトルネック・インフレ」という言葉のとおりに、「大量の資金が、小さな実物資産市場へ、大量に流れ込む」という状況が考えられるようである。
つまり、すでに始まった「世界的な国債価格の下落」が、より一層、進行し、結果として、先進国の「通貨制度」や「金融システム」に関して、大きな不安感が出始めることが予想されるのだが、このような状況下で起きることは、本当の「お金」である「金(ゴールド)」が、改めて見直されることでもあるようだ。