本間宗究(本間裕)のコラム

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2013.8.15

夢の扉

8月11日に放映された「夢の扉」という番組で、ようやく、「光触媒による人工光合成」が紹介されたが、このことも、「iPS細胞」と同様に、「日本発の、世界に誇れる技術の一つ」だと考えている。具体的には、「光触媒」に「日光」などの光を当てることにより「二酸化炭素と水からメタンが発生する」というものだが、この技術が広く利用されるようになると、「エネルギー」や「環境」などの問題に対して、大きな解決策の一つになるものと考えている。また、この「光触媒」については、「壁などに塗装することにより、抗菌作用がある」という点は、広く知れ渡っているのだが、現在の株式市場では、ほとんど、注目されていないようである。

このように、現在では、数多くの「新しい技術」が開花し始めているようだが、このことが、「技術」の面において、著名な経済学者である「シュンペーター」が提唱する「企業家の行う不断のイノベーション(革新)が経済を変動させる」ということだと考えている。そして、このような「革新」については、技術だけにとどまらず、「新しい財貨や生産様式、そして、組織形態」なども含まれているようだが、「シュンペーター」は、基本的に、「創造的破壊」という言葉のとおりに、「官僚化し、活力を失った企業や組織は、いったん、崩壊する」とも考えていたようである。

つまり、現在の「金融大混乱」に表されているように、「マネーの大膨張」が限界点にまで達し、また、「世界の金融が、数行のメガバンクによってコントロールされている」と言われているような状況下では、「経済全体に逼塞感が充満する」ということである。別の言葉では、多くの人がサラリーマン化した結果として、実体経済の停滞が起きるということだが、その時に生み出されたのが、「経済の金融化」という「行き過ぎた金融資本主義」だったのである。そして、現在では、異常に大膨張した「金融システム」自体が、崩壊の時を迎えようとしているのである。

このように、今後は、「第二次世界大戦」の時と同様に、「戦争の後に、新たな技術が、本格的に開花し始める」という状況を想定しているのだが、このことは、「戦争」や「その後の統制経済」などにより、「個人の力が抑制されていた」という点にも、大きな原因が存在したようである。しかし、「戦争」が終了し「個人の自由」が取り戻されると、一転して、「活気ある社会」が生み出されたようだが、今回も、基本的には、60数年前と同様の状態を想定しているが、問題点は、「金融大戦争」の存在に気付いた時に「お金の価値が激減する」という危機の発生でもあるようだ。