本間宗究(本間裕)のコラム
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2013.9.17
二度目の東京オリンピック
9月8日に、「2020年の東京オリンピック」の開催が決定された。そして、日本中が「歓喜の渦」に包まれているようだが、確かに、「7年後の日本」を考えながら「震災からの復興」、そして、「新たな日本の創造」という目標が掲げられたようである。つまり、多くの人が「1958年(昭和33年)の東京タワーの建設」と「1964年(昭和39年)の東京オリンピック」のことを思い出しながら、現在の「スカイツリーの完成」と「2020年の東京オリンピック」に関して、「再度、日本が経済成長を達成できるのではないか?」と考えているようにも思われるのである。
つまり、「49年前の日本」を思い出しながら、「7年後の日本」に、大きな期待を抱き始めているようにも感じられるのだが、この点には、大きな注意が必要だと考えている。具体的には、「1964年当時の日本」は、「GDPが約30兆円」であり、また、「一回目の東京オリンピック」をキッカケにして、更なる「高度経済成長」を達成できたという状況だったのである。
しかし、今回の「二度目の東京オリンピック」に関しては、「実体経済の成長」よりも、「約1000兆円もの国家債務」に関して、「金利上昇により、国債価格の下落を促進する効果があるのではないか?」とも考えられるのである。つまり、「株価の上昇」や「予想以上の景気好転」がキッカケとなり、「日本の国家債務」が危機的な状況に陥る可能性のことだが、今後の「時間的な問題」を考えると、「一刻も早く、債務問題を決着することにより、日本人が、新たな気分で、日本再生に取りかかる」という展開を望む次第である。
このように、「1964年」と「2020年」の「二つの東京オリンピック」については、「経済的に、まったく正反対の効果をもたらす可能性」も存在するようだが、私が望むことは、「史上最大の高度経済成長」を達成した日本人が、今後は、「史上最大規模の少子高齢化問題」に対して、新たな「モデル」を世界に示すことである。あるいは、「放射能問題」を解決して、新たな「地球と共生する経済」を築き上げることにより、「21世紀の世界」に対して、「お手本」となるような社会を創り上げることでもある。
しかし、その前に必要なことは、直面する「国家財政問題」に対して、正面から取り組むことであり、「先送り」や「誤魔化し」などに頼らずに、根本的な解決をする必要性があるものと考えているが、このことができない状況下では、「決して、二度目のオリンピックが成功するはずがない」とも思われるのである。