本間宗究(本間裕)のコラム

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2013.9.27

市場から消え始めた「金」や「銀」

現在、貴金属の市場で起きていることは、「金や銀の現物が、市場から消え始めている」ということだが、この理由としては、「中国」や「インド」、そして、「ロシア」などの「政府による買い付け」の他に、「世界各国の投資家が、大量に金を退蔵し始めている」という点が指摘できるようである。つまり、「悪貨は良貨を駆逐する」という「グレシャムの法則」が働き始めているのだが、このことは、多くの人が「金や銀の現物」を「良貨」と考え始め、一方で、「紙幣」や「預金」などを「悪貨」と認識し始めているということである。

しかし、「貴金属の先物市場」で起きていることは、反対に、「大量の売り物が市場に出ることにより、価格の値下がりが起きている」ということだが、この理由としては、やはり、海外で盛んに指摘されている「価格操作」が挙げられるようだ。つまり、「金利」や「為替」だけでなく、「株式」や「商品」の市場においても、「価格のコントロール」が起きている可能性のことだが、この理由としては、やはり、「国債」と「金」とを巡る「金融大戦争」の存在が考えられるようである。

つまり、「国債価格が、世界的に暴落する」という事態に陥ると、現在の「金融システム」や「通貨制度」が崩壊する恐れがあり、そのために、「量的緩和」という「中央銀行による国債の買い支え」が行われてきたのである。しかし、現在では、この点にも「行き詰り」が見え始めており、その結果として、「世界中の人々」が、「金」や「銀」などを、手元に起き始めているのである。

そして、この点を「具体的な数字」で考えると、「これから、どのような事が起きるのか?」が見えてくるものと考えている。具体的には、本来の「お金」とも言える「金」や「銀」の時価総額は、「約1000兆円」の規模でありながら、「現代の通貨」は、「約10京円」にまで大膨張しているのだが、近い将来に、この比率が「1:1」になる可能性のことである。そのために、今まで、「金融大混乱」に備えて、「貴金属の買い付け」を推奨してきたのだが、残念ながら、現在の日本人は、依然として、「預金」や「現金」、そして、「国債」などを大事に保有しているのである。

このように、「悪貨」と「良貨」の概念は、時代とともに変遷し、歴史を尋ねると、「ある日突然に、通貨の価値が激減する」という事態が、往々にして見られるのである。しかも、現在の「世界的な金融大戦争」については、どのような歴史を見ても例が無く、これからの「通貨価値の変化」については、きわめて大きな規模になるようだ。