本間宗究(本間裕)のコラム

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2013.11.16

最後のバブルが始まった!?

現在、「世界的な株高」の他に、「絵画」や「ダイヤモンド」などの市場においても、歴史的な高値が続出しているようである。具体的には、「欧米の株式市場が、連日、史上最高値を更新している」ということであり、また、「アンディ・ウォーホルの絵画」が「約105億円」という高値で落札されたり、「ダイヤモンドの落札価格」が、連日、史上最高値を更新したりしている状況のことである。そして、この原因としては、「中央銀行による大量の資金供給」が挙げられているが、実際には、「日米だけで、毎月、約15.5兆円もの資金が、市場に供給されている」という状況となっているのである。

しかも、この時に、「人々の意識変化」が加わっているために、より一層、「価格の急騰」が激しくなっているようだが、具体的には、「政府」や「通貨」への信頼感が激減し、「実物資産へ、資金が移動する動き」のことである。そして、今後は、この動きが、より一層、激しくなるとともに、「日本」を始めとした「アジア各国の株式市場」、あるいは、「貴金属市場」などにも、「バブル的な価格上昇」が起き始めるものと考えているが、このことは、「過去数百年の金融の歴史」から考えると、「史上最大」、かつ、「最後のバブル」となる可能性も存在するようである。

つまり、「バブルの歴史」を紐解くと、基本的には、「1620年代」に起きた「オランダのチューリップバブル」にまでしか遡ることができないのである。そして、その後は、「場所や形を変えて、いろいろな商品がバブルを引き起こした」という事実が理解できるのだが、この原因としては、「大量の資金」の存在が指摘できるのである。別の言葉では、「1600年」頃から、「時は金なり」という考えが生まれ始め、その後に、「お金が最も重要である」ということを意味する「資本主義」の発展により、「過去400年間で、大量のお金が、世界的に創り出された」ということである。

その結果として、現在では、さまざまな市場で、「バブル」が発生し始めているようだが、実際に起きていることは、「マネーの暴走」であり、また、「本格的なギャロッピング・インフレ」とも言えるようである。つまり、最初に、「高額な商品」から価格が急騰し始めて、次には、「より安価な商品」へと移行し始めるものと思われるが、問題は、この動きが「ハイパーインフレ」へと繋がった時である。つまり、「食料品の価格」までもが急騰し始めると、「人々の生活」に支障が出始めるとともに、最後の段階では、「誰も、高額な絵画やダイヤモンドなどには、目を向けなくなる状況」が訪れることが予想されるのだが、このことが、「行き過ぎた金融資本主義の崩壊段階」とも言えるようである。