本間宗究(本間裕)のコラム
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2014.1.7
安倍首相の勘違い
最近の「安倍首相」は、大きな「勘違い」をしているようだが、具体的には、「首相は絶対権力者であり、自分の行動により、民を救うことができる」と錯覚している可能性のことである。別の言葉では、「アベノミクス」や「異次元の金融緩和」が、表面的な成功を収めたものと考え、更に、「国家権力の行使」を強めようとしているようにも思われるのである。つまり、「政府の言う通りに行動すれば、国民は幸せになる」という「考え」のもとに、「国家の行動範囲」を広めようとしているようだが、このことは、かつての「共産主義国家」や「社会主義国家」における「計画経済」と似たような状況とも言えるようである。
また、「理想的なリーダー像」についても、大きな誤解が存在するようだが、「東洋学における理想の宰相像」、あるいは、「西洋諸国の理想的なリーダー」というのは、基本的に、「高貴な地位に就く者の義務や態度」が重要視されているのである。具体的には、「太陽」や「大地」のように、「人々を温かく見守りながら、一人ひとりが、助け合いながら、幸せな人生を送ることを願う」ということであり、この点については、現在の「天皇陛下」や「皇后陛下」が、まさに、「理想像」とも言えるようである。
このように、「首相就任後、一年を経た安倍首相」は、「私」という「自分の思い」だけに囚われて、「公」という「国民の幸福」を忘れているようにも感じられるのである。具体的には、「憲法の改正」という「自分の夢」を達成するために、「日銀」を利用しながら、「表面上の景気回復」を目論んでいるものと思われるのだが、この点については、間もなく、結論が出ることになるようだ。
また、現在の「安倍首相」は、「大きな政府」を推進することに熱心であり、「規制改革」には、ほとんど関心が無いようにも思われるのだが、本来の経済成長は、「それぞれの国民が、自由平等な環境下で、他人のためになる仕事をする」ということが、基本的な条件とも言えるのである。つまり、「夜警国家」という「国家の機能は、外的からの防御、国内の治安維持など,必要最小限の公共事業にある」という「国家観」とは、全く正反対の方向へと向かっているのである。
別の言葉では、「崩壊前のソ連」と、ほとんど同じ政策を取っているようにも感じるのだが、この点については、今後、「国債価格の暴落(金利急騰)」が起きた時に、はっきりと見え始めるものと考えている。具体的には、「4月の消費税上昇」の前後に、「異次元の金融緩和」の「正体」が見え始め、人々が慌てだす動きが予想されるようである。