本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.1.28

永遠のゼロ金利

先日、「永遠のゼロ」という映画を見てきたが、この時に感じたことは、「実際の戦争」と「金融戦争」の違いがあるものの、「人々の意識」においては、「現在と似たような状況ではないか?」ということだった。具体的には、「軍国主義の時代」において、「家族のために、生きて帰りたい」という「主張」が受け入れられなかったように、現在では、「お金が無くては、生きていけない」という「考え」を否定するような意見が受け入れられない状況のことである。

そして、このような考えが行き着いた先が、「食品の偽装をしてまでも、目先の利益を上げる」ということであり、また、「利益のためなら、老人を騙してもよい」と考える「詐欺事件」などの「大量発生」だったのである。つまり、「西暦1600年頃」に生まれた「時は金なり」の思想が、時代とともに先鋭化し、現在では、「命よりもお金の方が大切な時代」になったのだが、「永遠のゼロ」の映画では、「特攻隊」の「暴挙」、そして、「人間の命が、実に粗末に扱われた時代」が、見事に描写されていたようである。

このように、「時代の大転換期」においては、「命」よりも「主義」の方が尊ばれるような現象が見られるようだが、その後に起きることは、「大事件」を見ることによる「人々の認識の大変化」とも言えるようだ。具体的には、「敗戦」をキッカケにして、「鬼畜米英」から「民主主義尊重」へと変化したような状況のことだが、この点を、現在に当てはめると、「永遠のゼロ金利」と考えられていた時代が「終焉の時」を迎えるとともに、「全く新たな展開」が始まることが予想されるようである。

具体的には、「お金が最も大切だ」と考える「現代人の認識」を利用することにより、現在の「ゼロ金利」が可能となったのだが、現在では、ほとんどの人が、「預金に金利が付かないのが当たり前だ」と考えるような状況となっているのである。しかし、これから想定されることは、「何らかの大事件」をキッカケにして、「預金神話」が崩壊し、「日本人」を中心にして、「貴金属」や「株式」などの「実物資産」へと、「資金を、急速に移動させる状態」のことである。

そして、このことが、私が想定する「インフレの大津波」のことでもあるのだが、現在では、徐々に、この点を危惧する人が増えているようである。具体的には、「消費税率の上昇」や「円安」などにより、いろいろな商品価格が上昇しているのだが、今後は、この動きが止まらなくなることも予想されるようである。