本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.2.7

割烹着の科学者

先日、「STAP細胞」が、突如、世間の注目を浴びることとなったが、このことも、「世の中が、絶えず、進化している」ということの「証明の一つ」とも言えるようである。そして、「2010年から2025年が創業の時代である」という「私の想定」に合致するような出来事でもあったようだが、たいへん興味深い点は、「30歳の若い女性が、割烹着を着ながら、偉大な発見をした」という事実である。つまり、今までの常識を打ち破るような組み合わせにより、歴史的な成果が得られたのだが、このことにも、大きな意味が存在するようである。

つまり、「世の中の大転換期」においては、「既存の常識」が崩壊することが、往々にして起きるからだが、今後は、いろいろな分野で、このような出来事が発生するものと考えている。別の言葉では、金融面や社会面における「原点回帰」や「初期化」ということだが、今回の「STAP細胞」、あるいは、以前の「ⅰPS細胞」においては、まさに、「細胞の初期化」が、大きなテーマでもあったのである。しかも、今回は、「刺激を与えた時に、細胞が初期化する」という点が発見されたのだが、このことは、「人類の進化」とも深くかかわっているようである。

具体的には、「ダーウィンの進化論」のとおりに、「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」ということだが、この時の「刺激」となるのが、「世界的な大事件」とも考えられるのである。つまり、「誰もが驚くほどの大転換」が起きた時に、「金融面での初期化」が起きるものと考えているのだが、実際には、「アメリカのデフォルト(債務不履行)」などをキッカケにして、世界的な「金融システム」や「通貨制度」が完全崩壊する状況のことである。

しかし、現在では、ほとんどの日本人が、「水茹での蛙」の状態となっており、依然として、「今まで強かった者、あるいは、今まで賢かった者」の意見を鵜呑みにしがちになるのだが、このことは、かつての「恐竜」のような状態であり、「変化の時代」には、きわめて脆くなることが予想されるのである。

特に、現在の「経済学」においては、「実体経済」の研究だけに専念しており、「貨幣論」が、ほとんど議論されていない状況でもあるために、「既存の常識」そのものが、きわめて「古い考え方」になっているのだが、この点については、やはり、「本当の事件が起きない限り、理解されないこと」とも言えるようである。