本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.2.26

誰が、国債を買うのか?

アメリカにおける「国家債務上限の引き上げ問題」については、先日、「共和党の妥協」により、「一時的な解決策」が取られることとなった。そして、多くの人は、「あと一年は、国家の債務問題が発生しない」と考えているようだが、実際には、「誰が、国債を買うのか?」という、大きな疑問点が存在するのである。つまり、「量的緩和の縮小(テーパリング)」が意味することは、「FRBに、国債を買い付ける余裕が無くなってきた」ということであり、今後は、「粛々と、買い付け金額を減額する」という状況が予想されるのである。

しかも、この時に、「市場の反乱」という「国債価格の下落」が起きると、一挙に、「金利の急騰」が始まる可能性も存在するのだが、今までは、「アメリカ」に限らず、「日本」においても、「ほとんどの国債が、中央銀行によって買われていた」という状況でもあったのである。具体的には、「日銀による国債の買い付け」については、「毎月7兆円」というペースが継続しているのだが、このことは、「年間で84兆円」という数字になり、実際には、「年間の歳入欠陥」である「約50兆円」を、「大幅に上回る金額」とも言えるのである。

つまり、「機関投資家の売却部分」までも、「日銀」が買い支えているようだが、この時の問題点が、「日銀は、どのようにして、買い支えの資金をねん出するのか?」ということである。より詳しく申し上げると、「2月20日」の時点では、「日銀の国債保有残高」が「約196兆円」にまで増えており、この時の「資金手当て」としては、「当座預金」という「民間銀行からの借入金」が「約113兆円」、そして、「売現先勘定」という「一時的な資金手当て」が「約31兆円」などの状況になっているのである。

別の言葉では、「短期資金」を借り入れて、「長期国債」などを買っていることが理解できるのだが、当然のことながら、「借り入れた資金」には、「返済の義務」が存在するために、「間もなく、この方法にも限界点が訪れる」とも考えられるのである。しかも、現在の「10年国債金利」は「約0.6%」というように、あまりにも異常な「超低金利状態」であり、「今後の反動が、大いに危惧される状況」とも言えるのである。

このように、現在では、「いつ、国家債務の借金爆弾が破裂するのか?」を考慮する段階に差し掛かってきたものと考えている。つまり、今までの推移から、総合的に判断すると、「2014年の3月から9月」という時期には、大きな注意をする必要性があり、この前後から、本格的なインフレが発生するものと考えている。