本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.3.27

官兵衛の決断

大河ドラマの「軍師 官兵衛」では、現在の「ウクライナ情勢」と同様の状況が展開したようにも感じているのだが、具体的には、「織田に付くか、それとも毛利に付くか?」という決断を、現在の「ウクライナ国民」が迫られているということである。そのために、当時の「播磨」で、どのような事が起きたのかを参考にしながら、今後の「ウクライナ」を見ていきたいと考えているが、「戦国時代の播磨」をみると、いろいろな紆余曲折を経たことが理解できるのである。

つまり、「播磨の内部分裂」であり、結局は、「黒田官兵衛」と「主君の小寺政職」との「戦い」にまで発展したのである。また、その後、「織田信長」が「本能寺の変」で命を落としたために、「黒田官兵衛」は「豊臣秀吉」の家来となったのだが、「過去の歴史」を即座に知ることができる「現代に生きる我々」にとっても、この間の推移は、実に、予測不可能なほどの混乱状態だったようである。

そのために、「ウクライナ」を含めた「今後の世界情勢」については、「まったく予断を許さない状況である」と考えているが、この時に必要とされる態度は、やはり、「歴史の流れ」を検証しながら、「どこに、最も大きな矛盾が存在するのか?」を考えることでもあるようだ。あるいは、「過去数十年、数百年間の歴史」を徹底検証することにより、「これから、どのような時代が訪れるのか?」を考えることでもあるようだが、特に重要な点は、「なぜ、1991年にソ連が滅んだのか?」を理解することであり、また、「その後、世界の金融市場で、どのような事が起きたのか?」を検証することである。

そして、結論としては、「文明法則史学」が教えるとおりに、「過去数十年間は、西洋の時代から東洋の時代への移行期だった」ということだが、この時に重要な役割を果たしたのが、過去のパターンと同様に、「マネーの大膨張」だったことも理解できるのである。つまり、「約800年前に起きた宋の没落」、あるいは、「約1600年前に発生した西ローマ帝国の崩壊」のどちらも、結局は、「マネーの大膨張」がもたらした「財政問題」と「インフレ」が、「巨大帝国の崩壊」の原因となったのである。

そして、現在では、「アメリカ」を中心にした「世界的な金融資本主義」が、いよいよ、「終焉の時期」を迎えるものと考えているが、その時に、我々が求められている「決断」は、「預金」や「国債」などの「フィアットマネー(政府の信用を基にした資産)」を持つのか、それとも、「貴金属」や「株式」などの「実物資産」を持つのかということである。