本間宗究(本間裕)のコラム
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2014.4.7
黒田日銀総裁の出口戦略
先日、国会において「金融のプロ」を自認する議員が、「日銀の黒田総裁」に対して、いろいろな質問を投げかけていた。具体的には、「日銀の当座預金金利を上げると、日銀の収益が厳しくなる可能性」のことであり、また、「日銀の出口戦略は、どのように考えるのか?」という点などだったが、この議員としては、「日銀」が長期国債を買い続けることに「大きな不安」を持つとともに、「日銀の出口戦略が思い付かない」ともコメントしていたのである。別の言葉では、「現在の金融政策では、日銀のバランスシートの正常化や、ゼロ金利政策の解除は不可能だ」と言いたかったようにも思われるのである。
そして、この時の「黒田総裁」の回答としては、「出口戦略を語るのは、時期尚早であり、また、海外と同様に、非伝統的な金融政策を実行している」というものだった。つまり、「簡単にあしらわれた」というような状況だったのだが、残念だった点は、「質問の内容」であり、実際には、「もう少し鋭い論点が必要だった」とも感じた次第である。具体的には、「国債の買い付け資金を、どのように手当てするのか?」ということであり、また、「国債入札に関して、特別会計が、どのように関与しているのか?」などのことである。
ただし、「国会において、ようやく、日銀のバランスシートが議論され始めた」という事実には、「時代の変化」を感じるとともに、今後も、より一層、この点に関する議論が深まっていくことを期待しているのだが、現在の「世界の金融情勢」を見ていると、「日銀の出口戦略」については、「時期尚早」どころか、反対に、「完全に手詰まりの状態」とも考えられるようである。
つまり、現在、「アメリカ」では、すでに、「量的緩和の終了」や「ゼロ金利政策の解除」までもが議論され始めているのである。そして、この時に、「GDPの二倍以上もの国家債務」を抱えている「日本」は、「出口戦略」を語れるような状況ではなく、反対に、「市場の反乱」という「国債価格の暴落」や、あるいは、「入札の失敗」などを考える段階に入っているものと思われるからである。
そして、このことが、私の想定する「金融の大地震」であり、時期的には、たいへん近づいてきたようにも思われるのである。つまり、今年の「6月」から「7月頃」を想定しているのだが、「天災」と同様に「人災」も、「人々が忘れた頃に訪れる」という可能性があるとともに、「実際に、事件に遭遇しない限り、人々は、バブルの存在に気付かない」という状況が、今回も、再現されるものと考えている。