本間宗究(本間裕)のコラム
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2014.4.17
お金持ちのスポンサー
「渡辺喜美元代表の資金疑惑」については、表面上、問題が解決したようだが、この出来事には、実にいろいろな「メッセージ」が含まれていたようである。つまり、「DHCの吉田会長」という「お金持ちのスポンサー」が、今回、「なぜ、事実を週刊誌に暴露したのか?」ということであり、その結果として、「渡辺元代表の信用が、ほぼ瞬間的に失墜した」というような展開が、「今後、どのような面に表れるのか?」ということである。
つまり、「内部分裂から対立へ」という構図が、「今年の世界情勢」を見る上での「キーワード」だと考えているのだが、今回の事件は、まさに、この点に関する「象徴的な事件」だったようである。別の言葉では、「真実の暴露」により「いろいろな膿が出た事件だった」ということだが、現時点での「最大の膿」としては、やはり、「国家の財政問題」が考えられるようである。そして、「日本の国家債務が、1000兆円を突破した」という状況に関して、「今後、大きな変化が起きる可能性」も存在するようである。
あるいは、「欧米の国家債務問題」についても、同様の状況だと思われるが、この時に考えなければいけないことが、「誰が、お金持ちのスポンサーなのか?」ということである。つまり、「世界の国家債務は、どのようにして積み上がり、また、これから、どのようにして解決されるのか?」ということだが、実際に、「お金持ちのスポンサー」の役割を果たしているのは「国民」とも言えるのである。
つまり、「国民からの税金」を基にして、「国家財政」が成り立ち、また、「将来の税金」を基本にして「国家債務の大膨張」が起きたのだが、現在の「日本国民」には、ほとんど、この認識が欠如しているようである。そして、「ゼロ金利」に我慢し、また、「増税」にも耐えている状況とも思われるのだが、今後の注目点は、「いつまで、このような状態が継続できるのか?」ということである。具体的には、「日本国民が、国家や通貨への信頼感を喪失するような状況」が生まれた時には、「国民が、政府に対して、愛想を尽かす事態」も想定されるのである。
そして、その時には、「金利の上昇局面」を迎えるものと思われるが、その結果として起きることが、「国家財政の、更なる悪化局面」ということである。つまり、「国債の発行」が難しくなる状況のことだが、「過去100年間に、30か国以上で発生したハイパーインフレ」についても、実際には、「ほとんど同じ構図」であり、間もなく、「日本国民」も、この点に気付かざるを得ないような事件が発生するものと考えている。