本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.5.16

没落する日本

4月30日に「世界銀行」が発表したレポートによると、「2011年に、購買力平価ベースで、インドが世界第三位の経済大国になった」とのことである。つまり、「日本は、中国の次に、インドにも抜かれ、実質的に、世界第四位の経済国になった」ということだが、この点については、「購買力平価ベース」という事実を差し引いても、「日本人には、大きな衝撃をもたらす出来事」とも言えるようである。具体的には、「日本の経済力が、世界的に、徐々に低下している」という事実が見て取れるとともに、一方で、「国内外で、さまざまな問題が山積している状況」でもあるからだ。

また、「第一位のアメリカ」と「第二位の中国」との「差」も縮まっており、間もなく、「中国が、世界第一位の経済大国になる日」も近づいているようだが、このことも、「文明法則史学」が教えるとおりに、「西暦2000年前後を境に、西洋から東洋の時代へ移行する」という事実を象徴しているようである。そして、今後は、「東洋の時代が、約800年間にわたり継続する」とも言われているのだが、実際には、「短期的に、これから、大きな波乱が待っている段階」とも考えられるのである。

つまり、「文明の交代期」に起きることは、最初に「マネーの大膨張」であり、また、その後は、「通貨の堕落」と「インフレ」により、「マネーが、実質的に、収縮する動き」だと考えている。そして、このことが、「800年前の宋の時代」や「1600年前の西ローマの時代」に起きたのだが、現在も、ほとんど同じパターンで進行していることが理解できるのである。

そして、これから想定されることは、「国債価格暴落のXデー」から始まる「本格的なインフレ(通貨価値の下落)」でもあるようだが、現在では、さすがに、多くの人々が、「これ以上、日米欧の国家財政は持たないのではないか?」と考え始めたようである。つまり、「量的緩和の正体」が「国債の買い支え」であることに気付き始めるとともに、「これから、誰が、国債の買い手になるのか?」を危惧し始めたようにも思われるのである。

別の言葉では、「世界的な金利上昇」が始まった時に、「どれほどの混乱が起きるのか?」を考え始めたようである。そして、この点については、「過去100年間」において、「通貨制度」や「金融システム」が、「どのような推移を経て、どのように変化したのか?」を理解することが、必要だと考えているが、実際には、「バブル崩壊」の時と同様に、「実際のインフレが始まった時から、この研究が始まる」とも考えられるようである。