本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.7.7

不思議な好景気

現在、世界的に「不思議な好景気」や「不思議な株高」が起きていると言われているが、実際には、きわめて「当たり前の動き」にすぎないものと考えている。つまり、「群盲、象をなでる」という言葉のとおりに、「目の見えない人々」が「象の尻尾」を触った時に、「象というのは、紐のようなものだ」と考えているような状況が、世界の金融界で起きているのである。具体的には、「実体経済」だけしか見ていない「現代人」は、「マネー経済で、どのような事が起きているのか?」を、ほとんど理解していないようだが、実際には、「相場は世の鏡」と言われるように、「マネーの動き」を見れば、「今回の好景気や株高の理由」も、はっきりと見えてくるようである。

別の言葉では、「株価の上昇」だけに目を奪われて、「国債」を始めとした「債券市場」については、「思考停止状態」となっており、実際には、「ほとんどの人が、国債価格暴落のリスクを忘れ去ったような状況」とも言えるのである。その結果として、「史上最高値」を更新する「アメリカ株」を中心にして、「バブルではないか?」とか「間もなく、暴落が始まるのではないか?」というような意見が、数多く出ているのである。

しかし、実際には、「約10京円」とも言われる「世界のマネー」が動き出した結果として、「2014年6月」という「午の年、午の月」から、「馬が走り出すようなインフレ」を意味する「ギャロッピング・インフレ」がスタートしたようにも感じている。そして、この時に起きることは、「予想以上の好景気」であり、また、「予想以上の株高」でもあるのだが、前述のとおりに、ほとんどの人は、訳が分からない状況に陥っているようにも思われるのである。

具体的には、「世界的な株高」と「超低金利状態」の「併存状態」に関して、「デフレだから超低金利状態になるのが当然だ」というような「考え」を持ち、結果として、「株式市場は間違えている」というような意見も見られるのである。しかし、実際には、「相場は常に正しい」ということが基本であり、そのために、「なぜ、現在、株高と超低金利が起きているのか?」を理解することが重要だと考えている。

つまり、今回の「BISの年次総会」でも指摘されたように、「世界の中央銀行による国債の買い支え」が、最も重要な点であり、今後、この点に関して、大きな転換点が訪れた時に、「世界中の人々が、不都合な真実を理解せざるを得なくなる状況」が訪れることになるものと考えている。