本間宗究(本間裕)のコラム

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2014.8.26

平成26年8月豪雨

今年の夏の「異常気象」に関しては、気象庁により「平成26年8月豪雨」という、今までに聞いたことが無いような名前が付けられた。そして、私自身も、改めて、「大自然の威力」を見せつけられたようにも感じているが、実際には、昔の人々が抱いていた「天への畏敬」とは、「このような想いだったのではないか?」とも感じた次第である。

また、このような「自然災害」については、今後も、より一層の注意が必要なようだが、実際には、現代人が忘れ去った「天への感謝」を考え直す必要性のことである。つまり、かつては、「五穀豊穣」を感謝し、「お祭り」を行う事により、「自然との調和」が保たれていたようにも思われるのである。別の言葉では、「目に見えない力」を感じることにより、「過剰な収穫」や「際限なき欲望」が抑制されたようだが、現在では、「お金」が「神様」となった結果として、「マネーの大膨張による、過剰な需要が発生している状況」とも考えられるのである。

つまり、「地球の温暖化」が発生し、自然環境にも異変が生じたようだが、結局のところは、人々の「過剰な欲望」が、「自然」を破壊し、その結果が、「自然災害」という形となって表れた可能性もあるようだ。別の言葉では、「目に見えるもの」だけを信じることにより、「物質文明」が異常な肥大化をしたものと考えているが、この時の、最も大きな要因である「マネーの大膨張」は、いまだに、ほとんど理解されていないようである。

そして、この時に思い出されるのが、「東洋の言葉」である「天災の後に人災が訪れる」ということだが、現在では、この可能性が高くなっているようにも感じている。つまり、世界的な「金融システム」や「通貨制度」の「崩壊」のことだが、この点については、「海外で、盛んに悲観的な意見が噴出している状況」になっているのである。具体的には、「ニクソンショック」以降の、きわめて異常な「マネーの大膨張」と、過去数年間の、いわゆる「量的緩和」という名の下に実施された「国債の買い支え」により、「世界の金融システムは、間もなく、崩壊する可能性が高くなっている」というものである。

そして、「金利上昇が始まった時に、どのような事態が考えられるのか?」についても、いろいろと厳しい意見が出始めているが、実際には、今回の「自然災害」が、「天の警告」となり、間もなく、本当の「人災」が始まる可能性のことである。つまり、現在の「非伝統的金融政策」については、「歴史上、ほとんど例がないほどの、異常な状況」であり、今後の「反動」が、たいへん気にかかる段階になってきたということである。