本間宗究(本間裕)のコラム

* 直近のコラムは、こちら

2014.12.4

干支から見る2015年

2015年は「乙未(きのと ひつじ)」という暦になるが、「乙」が意味することは、「甲」で出た芽が「ひょろひょろと伸びる様子」であり、また、「未」は「昧」に繋がり、「世の中が暗くなる様子」を表している。そして、二つを合わせて考えると、「2015年」は「2014年に起きた出来事」が、より一層、進展しながら、同時に、「世の中が暗くなるような事件」が起きることが予想されるが、この点については、「デリバティブ(金融派生商品)の完全崩壊」が考えられるようである。

つまり、「2014年10月」に、「FT」で報道された「デリバティブのルール変更」であり、実際には、「第二のリーマン事件」が起きる可能性のことだが、この「デリバティブ」については、総額が「700兆ドル(約8.4京円)」という、まさに、天文学的な数字になっている。しかも、本来ならば、「2007年から2008年の金融大混乱期」に、全てが明らかになるはずだったが、実際には、「飛ばし」のような状態になっており、いまだに、人々が問題点に気づいていないのである。

このように、「2015年」に予想されることは、最初に、「金融界の大量破壊兵器」と呼ばれる「デリバティブ」の完全崩壊だが、今回は、「2008年のリーマンショック」の時とは違い、「量的緩和」という名の「先送り政策」が使えなくなっている。そのために、今後は、「国債価格」の下落とともに、全ての先進国で「紙幣の大増刷」が始まるものと思われるが、この時に予想されることは、多くの予想に反して、「株式」や「貴金属」の値上がりとも考えられるのである。

つまり、富裕層から「質への逃避」が始まるものと考えているが、実際には、「預金」や「国債」などの「フィアットマネー(政府の信用を基にした金融商品)」から、「貴金属」や「株式」、そして、「土地」などの「実物資産」へ、資金が移動することが予想されるのである。そして、その後に、徐々に、一般大衆へと、この動きが広がっていくものと思われる。

そして、最後の段階では、「お金を受け取った途端に、市場で、商品に交換する」という「換物運動」にまで発展するものと考えている。つまり、このことが、いわゆる「ハイパーインフレ」と呼ばれるものであり、基本的には、「インフレ率」や「金利」が「10%台」に到達した時点で、このような状態に変化するものと考えているが、それまでは、いろいろな市場で、バブル状態が発生することも予想されるのである。