本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.2.16
歴史的な大天井
1月20日の「日本10年国債の0.195%」という金利は、人類史上における「最も低い記録」だった可能性が高まっている。そして、このことは、「国債バブルの大天井」を意味しており、現在では、すでに、バブルの崩壊が始まっているものと思われる。また、1月30日に記録した「ドイツ10年国債金利」の「0.304%」も、同様の状況だった可能性が高まっているが、今までの推移を振り返ると、実に、異常な事態が発生したことが理解できるのである。
具体的には、今から30年以上前の「1981年」において、「アメリカの10年国債金利」は、「約15%」という状況だった。そして、その後、世界的な金利低下が起き、現在では、多くの国々で、「ゼロ金利」や「マイナス金利」という状況になっているのである。つまり、人類史上、前代未聞とも言える事態が発生しているのだが、どのような「バブル」においても、「崩壊しない限り、その存在に気付かず、また、現状を当たり前と考えがちになる状況」が発生するのである。
別の言葉では、「30年以上も継続した金利低下」を実際に経験すると、多くの人が、新たな「常識」を作り出す傾向のことだが、実際に、現在では、ほとんどの人が、「デフレだから、低金利状態は当たり前だ」と考えているのである。そして、「お金が有り余っているために、金利は上昇しない」という認識を持っているようだが、「バブル」の恐ろしい点は、「ほとんどの人が、同じ考えを持つようになった時に、大転換が起きる」ということである。
つまり、「上昇エネルギー」が使い果たされた結果として、きわめて短い時間に、大転換が起きやすくなるのだが、今回も、同様の状況になっているようだ。しかも、今回のように、「世界的な超低金利状態」となったのは、歴史上からも、稀に見るほどの事態だと考えているが、このことは、世界中の人々が、「お金の魔力」に支配されたことを意味しているようである。
具体的には、「信用」が形になったものが「お金」であり、現在は、世界中の人々の「欲望」や「信用」が、「過剰な金融資産」を生み出し、その結果として、「超低金利状態」が発生したのである。しかし、これから想定されることは、「エネルギーの逆回転」であり、実際には、「現在のお金」に対する不信感の増幅とも考えられるが、これほどまでの異常事態に対する反動は、やはり、人類史上、最大規模のものになるようだ。