本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.2.25

黒田総裁のオフレコ発言

国債のリスクに関して、黒田総裁による「オフレコ発言」が、市場の話題になっているが、マスコミの報道によると、「国債保有時のリスク計算が、現在のゼロから、リスクアセットに変化する可能性が存在する」とのことである。つまり、現在の「金融機関の自己資本比率」において、「国際業務」については「8%の自己資本」、また、「国内業務」については「4%の自己資本」が必要とされており、この「自己資本比率」の計算時に、「国債がリスクアセットとみなされるか否か?」が問題になっているのである。

そして、かりに、「国債がリスクアセットである」と判断された時には、当然のことながら、「国債などのリスクアセット」に関して保有残高を減らすか、あるいは、自己資本の増強を図る必要性が出てくることになる。しかし、今までの推移から考えると、「国債の保有残高を減らす」ということが、最も妥当な未来像とも言え、その時には、「国債価格の暴落」が起きることも予想されるのである。

つまり、昨年の「消費増税の先送り」と「選挙」に関して、財務省は反対の立場を取っていたようだが、安倍首相は、財務省の意見を聞かずに、選挙を断行したようにも思われるのである。そのために、日銀の黒田総裁としては、安倍首相から、若干、距離を置き始めた可能性もあるようだが、この時に問題となるのが、「国家の債務問題」であり、また、「国債の買い支え」とも言えるのである。

具体的には、「国債価格」の下落により、「中央銀行」のみならず、「金融システム」までをも危うくするほどの投資が行われているのだが、この時に気にかかる点は、「暦のフラクタル(相似形)」である。具体的には、「2015年2月」が「戊寅(つちのえ とら)」であり、「1998年」と同じ暦になるのだが、今回は、「ギリシャ危機」が、「LTCM事件」に匹敵するような問題だったようである。

具体的には、「日銀トレード」という、「日銀が買ってくれるから、どのような値段で買っても損はしない」というような「民間銀行による、バブル的な行動」に関して、大きなブレーキが掛かり始めるとともに、今後の「国債入札」に関しても、さまざまな問題が噴出し始める可能性が存在するのである。つまり、前代未聞の規模で発生した、現在の「世界的な国債バブル」において、今までの「上昇エネルギー」が、逆回転を始める可能性のことだが、その時には、世界の「金融システム」を崩壊させるほどの影響力が存在し、実際には、このことが「金融の大地震」でもあるようだ。