本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.3.6

ロシアの暗殺事件言

2月27日に、「ロシアの野党指導者であるネムツォフ元第1副首相が、撃たれて死亡する」という事件が起きた。そして、「誰が、この事件の黒幕なのか?」について、いろいろな推測記事が出ているが、興味深い点は、「日本と海外とで、大きな違いが存在する」という事実である。つまり、日本においては、「プーチン大統領によるものではないか?」という意見が多数を占めているようだが、海外では、驚いたことに、「CIAの陰謀説」を信じる人も、少なからず存在するのである。

そのために、「事件の真相」については、今後の報道を待つ必要性があるが、確かに、「国民から85%の支持を得ているプーチン大統領」にとって、「ネムツォフ氏の暗殺」は、「ロシア国内の安定」を妨げる効果が存在するようである。つまり、今回の事件は、プーチン大統領にとっては、望ましくない出来事だった可能性もあるようだが、「事実は小説よりも奇なり」という言葉のとおりに、「現在の世の中では、どのような事件が起きても不思議ではない状況」とも言えるようである。

また、「2月に起きた事件は、その年の象徴的な出来事になる」ということが「私の経験則」でもあるが、今年の場合には、「ロシアの暗殺事件」に加えて、「川崎の少年殺人事件」や「大塚家具の内紛劇」、そして、「西川大臣の辞任」など、実に、陰湿な出来事が頻発した。そして、このことが、今年の末頃に、より大きな事件となって表れてくるものと考えているが、実際には、「国民」と「国家」との関係性において、「何らかの事件」が起きるようにも感じられるのである。

具体的には、「国民が、政府に対する不満感や不信感を増幅させる恐れ」であり、その結果として、現在の「預金神話」が崩壊する可能性のことだが、この点については、現在の「日本国債の価格(金利)」が、大きな意味を持ってくるようだ。つまり、私が想定する「国債バブルの崩壊」が、「日本」のみならず、「全ての先進諸国」で起きた場合に、「どのような状況が発生するのか?」を考える必要性が存在するようだが、この時には、世界の「金融システム」や「通貨制度」が、崩壊する危機も存在するのである

しかし、この点については、前述の「ロシアの暗殺事件」と同様に、「日本」と「海外」とで、大きな「認識の違い」が存在するようだが、「時は全てを証明する」という言葉のとおりに、今年の年末ごろには、結果が判明するものと考えている。そして、その時には、「誰が、ネムツォフ氏を暗殺したのか?」も判明している可能性も存在するようだ。