本間宗究(本間裕)のコラム
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2015.3.6
政官業の癒着体質
今回の「政治とカネ」の問題には、改めて驚かされたが、実際に、「安倍首相」のみならず、「岡田民主党総裁」にまで、同様の問題が起きたからである。そして、このことは、「政府が企業に補助金を出し、その企業が、政治家に献金を行う」という構図となっているようだが、「この時、誰が犠牲になるのか?」を考えると、結局は、「国民」であり、「血税」が無駄に使われていることを意味しているようである。
別の言葉では、「国民の知らないところで、いろいろな政官業の癒着が起きていた」という状況のことだが、この時の問題点は、「補助金の実態」が不明であり、「どのような資金の流れになっているのか?」が、国民に、ほとんど知らされていない点でもあるようだ。そのために、今回の事件については、より正確な報道が望まれるが、現時点では、「早期の幕引き」も想定されているようである。
そして、このままの状態では、「政治家への不信感」が、さらに増幅するものと思われるが、特に、「知らなかったら許される」というような、きわめて非常識な態度については、「国民の怒り」を誘発することも予想されるのである。別の言葉では、「国民の納税」については、「知らなくても、脱税に問われるケース」が、数多く存在するようだが、今回の問題については、「政治家が、自分に都合の良い法律を作ることにより、罪に問われない」という状況となっているのである。
このように、「法律を作る立法府」において、このような行為が継続するならば、「国民の不満」が高まるだけではなく、現在の「民主主義」そのものが、存続の危機に立たされることも想定されるようである。つまり、「政治家が行っているならば、国民にも同様の行為が許されるのではないか?」というような考えを持つ人が増えることも予想されるのである。そして、このことが、「日本人の堕落」の象徴的な意見とも言えるようだが、かつて、「井戸塀政治家」と呼ばれ、「政治家になると、残るものは、井戸と塀だけだ」と言われた時代からは、「隔世の感」があるようだ。。
つまり、日本人全体が、「お金の亡者」となり、「自分の利益のためなら、どのような事でも行う」という傾向が強くなったものと思われるが、この時に起きることは、「信なくば立たず」という言葉のとおりに、「社会全体が行き詰まりを見せる」ということである。そして、その時期は、たいへん近づいており、今年の末頃には、はっきりと理解されるものと考えている。