本間宗究(本間裕)のコラム

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2015.4.5

崩壊を始めた日米英の金融三国同盟!?

最近、最も驚かされた出来事の一つが、「イギリスが、AIIB(アジアインフレ投資銀行)へ参加を決めた」ということだった。つまり、今までは、「国債」と「金」との「金融大戦争」が起きており、この時に、「国債を守る陣営」において、「日米英の金融三国同盟」のようなものが、水面下で締結されているのではないかと考えていた。別の言葉では、「デリバティブ(金融派生商品)」を、最も多く保有しているのが、「イギリス」であり、また、その次が「アメリカ」という状況となっているのである。

また、「国債」については、「アメリカ」が最も金額が多く、次に、「日本」という順序となっているが、このような状況は、目に見えない「二つの金融ツインタワー」が、世界的にそびえたっている状態とも考えられるのである。そして、一方で、「中国」や「ロシア」などの国々は、大量に、現物の「金(ゴールド)」を購入しており、このことは、既存の「金融システム」や「通貨制度」への不信感の表れとも考えられるのである。

つまり、現在では、「日米欧の国々」が、大量の「国家債務」に悩まされており、また、現在の「量的緩和」が意味することは、典型的な「リフレーション(通貨膨張)政策」とも言えるのである。そして、「中国」や「ロシア」、あるいは、「インド」などの国々は、この点を熟知しているものと考えられるが、より具体的には、「1971年のニクソンショック」以降、世界の通貨制度が、私が提唱する「信用本位制」へと移行したことを理解しているようにも思われるのである。

そして、このような状況下で、今回、「イギリス」が、「AIIB」への参加を表明したわけだが、このことは、「日米英の金融三国同盟」が、実質的に解消されたことを意味しているようである。別の言葉では、間もなく、「デリバティブ」に関して、何らかの大事件が起きる可能性が高まっており、そのために、「イギリス」は、「アメリカ」のみならず、「中国」に救いを求めようとしている可能性も存在するのである

また、過去数十年間の「マネーの大膨張」、そして、現代の「お金」に関する、質的な変化を考えると、これからの「金融大混乱」は、未曽有の規模となるようだ。そして、この時には、世界中の人々が、「お金の本質」を考え始めるものと想定しているが、過去の歴史からは、「偉大な発見は、大混乱期に起きやすい」ということも理解できるのである。つまり、人類史上、初めて、「お金の謎」が解けることにより、今後は、二度と、今回のような「金融バブル」が起きなくなる可能性も存在するものと考えている。